縁側のある家の施工事例8選|外の空気を感じられる空間の魅力とは?

軒下を活かしてハンモックを設置 注文住宅

縁側は和室と庭の間に設けられた回廊で、建具を閉めれば屋内として、開ければ半屋外として使うことができる便利な空間です。近年、純和風の建築物は減少していますが、土間や軒下、縁側といった中間領域は日本人のライフスタイルに深く根差しているため、暮らしを豊かに、快適にしてくれる万能空間として、モダンな住宅の間取りにも積極的に取り入れられています。

特にLDKに掃き出し窓と濡れ縁を設置するプランは新築・リフォーム両方で人気が高く、間取りに追加できない場合、市販の濡れ縁を後付けで配置する方もいらっしゃいます。今回は日本文化と共に発展してきた、縁側について詳しくご紹介します。

編集 平成建設

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縁側の基礎知識と縁側の種類について

縁側の起源は奈良・平安時代まで遡ると言われています。元々は寺社仏閣に設けられた回廊でしたが、やがて貴族の邸宅へ、続いて豪商の住まいへ、そして現代の大衆住宅へと段階的に導入されてきました。ここでは縁側の機能面に焦点を当てて解説します。

縁側とは?

縁側は、主に日本建築に於いて和室と庭の間に設けられた板張りの廊下のことを指します。その語源は、建物の「ふち(縁)」の「そば(側)」の空間。建具で仕切られた内側にあるものを「内縁(うちえん)」、外側にあるものを「外縁(そとえん)」と呼びます。

現代の邸宅では、日当たりの良い南向きに縁側と庭園をセットで配置する間取りが人気です。最近は内縁を設ける事例が少なくなっていますが、掃き出し窓とセットで設ける外縁のニーズは高く、外観上のアクセントとしても幅広く活用されています。

縁側の種類とそれぞれの特徴

「内縁」「外縁」は設置場所に起因する区分ですが、それ以外の、建築・インテリア分野でよく使われる3つの「縁側」についてご紹介します。

濡れ縁(ぬれえん)とは?

濡れ縁

「濡れ縁」は外縁の一種で、側柱(建物の外壁の柱)の外にあるものを指します。軒は掛かっていますが、雨天時には風が吹き込んで濡れることから「濡れ」縁と呼ばれており、伝統的に耐久性に優れたツガやヒバ、ヒノキが使用されてきました。近年はウリンやエペのような海外産の樹木や、新しく開発された樹脂木材が使われる機会も増えています。 外に設ける濡れ縁は内縁よりも開放感があり、屋根付きの屋外空間として使うことが可能。自然と触れ合う活動と相性が良く、庭付きの一戸建てに実装されることの多い縁側です。

人工木材のメリット、天然木のメリット

天然木の濡れ縁は高級感がありますが、定期的な防腐処理・防虫処理・防水処理が必要になります。人工木材ならばそのような処理は不要ですが、質感が天然木に劣る、直射日光を受けると表面が非常に熱くなるといった点はデメリットとなります。メリット・デメリットを比べて、理想の暮らしと合った素材を選びましょう。

榑縁(くれえん)とは?

「榑縁」は敷居と同じ方向に(=長手に)板を貼った縁側のこと。対して、敷居に対して直角になるように(=短手に)板を貼ると「切目縁(きりめえん)」と呼ばれます。伝統的に内縁にはくれ縁が、外縁には切目縁が採用されることが多く、それぞれの代名詞のようにも使われています

和風住宅の廊下や縁側に使われる材は「縁甲板(えんこういた)」と呼ばれ、木目の美しいヒノキやスギを用いるのが一般的ですが、縁側が板間に隣接する場合はこの限りではなく、敢えて居室と同じフローリング材を使用し、拡張空間のように扱われることもあります。

榑縁に代表される内縁は、居室側と庭側にそれぞれ建具を配置することで温度を調整する空気層を作り出します。建具を閉じれば独立した空間に、建具を開け放てば居室と庭が繋がり、開放的な大空間が生まれます。可変性に富んだ榑縁は和風建築だけでなく、和モダン建築の間取りとも相性が良い縁側です。

広縁(ひろえん)とは?

広縁

内縁の中でも特に、幅を広く取ったものを「広縁」と呼びます。室町時代、家臣や従者の待機場所として利用されたことが起源と言われ、3尺(約91cm)であれば縁側、4尺(約120cm)になると広縁と呼ばれています。

近年は広縁を持つ新築住宅をあまり見かけませんが、中古の一戸建てや古民家のリノベーションでは、日当たりの良さを活かしてランドリールームやサンルームに生まれ変わることが多いようです。幅の広さを活かしてテーブルや椅子を配置し、サブリビングとして活用するプランも人気です。

縁側とウッドデッキの違いについて

縁側(外縁)に似た空間としてウッドデッキが挙げられます。どちらも玄関を通らずに屋内外を行き来できる点が共通していますが、慣例的に以下のような点で区別されています。

ウッドデッキのある戸建て住宅

軒がかかるか、かからないか

縁側は基本的に軒下に収まるように設計され、元々通路だったこともあり長細い形状をしています。一方、居室の「縁(ふち)」を越えて大きく広がる場合はウッドデッキと呼ばれることが多く、軒の内側に留まる縁側は家の一部、軒の外まで広がるウッドデッキは外構の一部と捉えられているようです。

段差の解消方法と広さ

縁側は屋内と同じ床高に設けられ、庭にいる人が直接腰掛けることを想定しています。段差を解消するために「沓脱石(くつぬぎいし)」と呼ばれる石を配置します。

一方、ウッドデッキは縁側よりも広い面積を活かして、アウトドアテーブルやチェア、パラソルなどを設置したり、屋根がわりにタープを張る方が多いようです。段差の解消方法としては階段を設けるのが一般的です。

外観のテイストに合わせて

小ぶりなウッドデッキは濡れ縁と大きな違いがないため、洋風の外観ならばウッドデッキ、和風の外観ならば濡れ縁と呼ばれることがあります。

縁側のある家のメリット・デメリット

縁側の設置を検討している方向けに、縁側のメリット・デメリットをご紹介します。デメリットとして挙げた点も設計の工夫によって解消可能なので、「縁側を作りたい」という希望をお持ちの方は注文住宅での建築をお薦めします。

縁側を設けるメリット

一つ目のメリットは、省エネ効果が期待できること。縁側を設けることで居室と庭の間に建具で仕切られた空気層が生まれ、この空気層が夏の暑さ、冬の寒さを軽減してくれます。また、縁側と軒によって、太陽の位置が高い夏は直射日光を遮り、太陽の位置が低くなる冬は日光を積極的に取り込める点もポイント。陽光を効果的に利用することで冷暖房費の軽減に繋がります。

二つ目のメリットは、大開口によって風通しが良くなること。昔から日当たりも風通りも良い縁側は、書籍や衣類の虫干しだけでなく、梅干や干し唐辛子のような保存食づくりにも活用されてきました。晴れた日に縁側を開放すれば気持ちのいい風が住まいを吹き抜け、室内を全体的に乾かしてくれます。エアコンやヒーターだけに頼らないエコ生活を望む方、自然と共に暮らすライフスタイルがお好きな方にはぴったりの機能ですね。

三つ目のメリットは、多くの人が集まる社交場になること。縁側は張り出した軒によって雨や直射日光から守られている一方で、靴を脱いで床に「上がる」必要がありません。この、気軽に立ち寄り気軽に立ち去れる程よい距離感がコミュニケーションを円滑にし、縁側は長らく、多くの人が立ち寄る社交場として機能してきました。

さすがに現代では縁側からの訪問は減っていますが、バーベキューやお子様の庭遊びの際には、依然としてご家族やご友人が腰かけて休憩したり、お喋りしたり、軽食を摂ったりする、屋外と屋内を繋ぐ社交場としての役目を果たしています。

四つ目のメリットは作業スペースとして使える点。屋内と屋外を緩やかに繋ぐ縁側では、居室ではやりにくい作業も気兼ねなく楽しむことができます。工作やDIY、軒下を利用した保存食づくりなど、縁側は多様な活動を楽しむ場として利用されています。

時には縁側に椅子やテーブルを運び、風景を眺めながら創作活動を楽しんだり、読書をしたり、癒しのリラックスタイムを過ごしてみても良いですね。縁側は屋外からも屋内からも独特の距離感があり、気持ちを切り替えるのにはぴったりな空間です。

水平ラインを生む縁側×平屋の魅力

縁側はその機能性だけでなく、外観のアクセントとしても優秀です。特に平屋に縁側を設ける場合、天井、軒、縁側と複数の水平ラインが重なり、外観に調和が生まれます。

縁側を設けるデメリット

縁側が住宅の間取りから消えた大きな理由が、土地の価格が高騰して取得できる土地面積が小さくなり、遊びの空間を設け辛くなったこと。縁側を設けることで居住スペースが狭くなるのは大きなデメリットです。

内縁の解決方法

内縁を設ける場合、LDKと一体化させて建具で仕切る間取りがお薦めです。室温を調整したい時や縁側で作業をしたい時は建具を閉め、大空間LDKとして使用したい時は建具を開け放てば、縁側を二つの用途に使うことができます。LDKと縁側に連続性を持たるため、同じ床材を使う、レール式ではなく吊り下げ式の建具を使うなどの工夫をしましょう。

外縁の解決方法

外縁のような開放性の高い空間は、軒の深さや柱の間隔など幾つかの条件を満たせば延床面積に算入されません。法律をよく理解している設計士に相談してみましょう。竣工後に市販のスノコを購入して代用しても良いですね。

縁側を設ける場所にも注意が必要です。かつて社交場として活用されていた縁側ですが、現代では防犯面が気になる方も多いでしょう。

開放感とプライバシー保護を両立するためには、庭のデザインや縁側の場所が重要になります。庭と居室を縁側で繋げつつ、外部からは簡単にアクセスできない配置を検討しましょう。外部から見えないように庭に塀を巡らせる、または人通りの多い方向には庭や縁側を設けないなど、自由設計の住まいならば土地に合わせて開口部をコントロールすることができます。

中古住宅ではなくいわゆる「古民家」を購入するならば、その味わいを活かすために既存の縁側のリノベーションに取り組んでみてはいかがでしょうか。塀を巡らせる他に、生垣を高くする、植栽の位置を工夫するなど、間取りを変えずとも庭のレイアウト次第で外部からの視線を遮ることができます。

和カフェや旅館では、庭園と縁側を組み合わせた素敵な空間を体験することができますが、自宅に導入する際には庭園の管理コストに注意しましょう。自分でも手入れがしやすいグランドカバーを選ぶ、或いは白砂利を敷いて雑草が生えにくくするのも一つの手です。庭のレイアウトは管理のしやすさも考慮して決定することをお薦めします。

建具に見る縁側の変遷

居室を取り巻く回廊から始まった縁側。平安時代(寝殿造)の縁側は完全なる屋外空間であり、建具は居室と縁側を仕切るためにのみ存在していました。

時代が下がり、室町時代(書院造)になると縁側の外周部に雨戸が追加され、縁側は屋内空間としても利用されるようになります。とはいえ、夜間や悪天候時以外、雨戸は開放されているため、基本的には外部に開かれた空間であり続けました。

縁側に大きな変化が起こったのは近現代になってから。防風・防雨と採光を両立するガラス戸が出現・普及したことにより、縁側と庭は日常的に建具で隔てられるようになり、縁側は空気層という役割を持つようになりました。近年、雨戸の内側にある内縁は居室と一体化し、濡れ縁との差別化が進んでいます。

人気の高い和モダンな縁側

近年は伝統的な和風建築が減っていることもあり、洋風建築にも合うような和モダンな縁側が人気です。和モダンな縁側とは、木材や漆喰のような日本建築でよく使われる自然素材と、機能的でシンプルなモダンデザインを組み合わせた縁側のこと。落ち着きのある和風テイストと、近代建築の高機能性の組み合わせが高く評価されています。特に和風の詫び寂びと北欧のシンプルモダンを組み合わせた「Japandi(ジャパンディ)」スタイルは、近年、じわじわと人気が高まっている和モダンデザインです。ここでは、縁側を和モダンに纏めるコツをご紹介します。

モノトーンや低彩度でまとめる

すっきりしたデザインにしたい場合は、外観をモノトーンで纏めましょう。ダークトーンで統一したい場合は、黒は強すぎるのでグレーをベースにするのがお薦め。一方、白をベースにするならば、漆喰など質感のある素材を用いることで柔らかな印象になります。どちらもモノトーンの中に縁側の木目が映え、スタイリッシュな和モダンテイストになります。

明るいデザインにしたい場合は、低彩度のアースカラー配色がお薦めです。植栽や花壇の色合いと調和させつつ、縁側の床色をベースに外壁の色や小物の色を合わせましょう。低彩度・高明度の色を組み合わせることで、落ち着きと華やかさを両立することができます。黄土色や若葉色、鼠色のような、日本の伝統色を取り入れてみるのも楽しいですね。

自然素材を使用する

モダンな外観の場合は、素材感に和風要素を取り入れてバランスを取ります。和風の素材と言えば、木、紙、漆喰(石)といった自然素材。縁側は「木」ですから、建物の外壁に漆喰を用いたり、カーテンの代わりに和紙製のスクリーンを採用したりすると、縁側回りが程よく和モダンに纏まります。

板間・フローリングと組み合わせる

古民家をリノベーションする場合、和室をフローリングにすることでモダンテイストが加わり、和モダンな縁側に生まれ変わります。また、最近の一戸建て住宅には和室がないことも多く、その場合は自然と板間と縁側が連続することになります。

板間と縁側を接続させる際に気を付けなければいけないのが、木目に違和感が生まれないように工夫すること。同じ材・同じ方向に貼って連続性を持たせるか、逆に思い切って異なる配色・配列とし、空間の切れ目を明確にしましょう。

モダンな下屋を設ける

下屋の垂木は和風を強く印象付けるデザインです。もしも建物の印象が和風に寄っているようならば、垂木を設けずに軒天に板を貼り、モダンテイストを取り入れるのがお薦め。モノトーンの外壁ならば強い色でも馴染みますが、低彩度で纏めている場合は控え目な色の軒天を選びましょう。また、下屋を設けず2階のバルコニーや屋根の軒を活用してもモダンな縁側になります。

袖壁を設ける

縁側に袖壁を設けることで、外部からの視線を遮断して程よい籠り感が生まれ、外観もぐっとモダンな印象になります。現代の一戸建て住宅は昔と比べて隣家が近く、周囲を行き交う人の量も多いため、プライバシーが気になることもしばしば。左右を袖壁で囲い、前方に植栽して外部からの視線をガードした縁側は、ご家族にとって気兼ねなく寛げる、憩いの場となることでしょう。

 

縁側のある家の施工事例8例

平成建設にて施工した縁側のある自由設計のお住まいを、写真を交えてご紹介します。どちらのお住まいも自由設計ならではの素敵な魅力に溢れています。理想の家づくりの参考してください。

施工事例1 アンティーク建具で仕切る縁側のある平屋

内縁を設けた和モダン住宅

「古民家風の縁側が欲しい」というお施主様の思いが結実した縁側。4枚セットの建具は、アンティークショップでお施主様が見つけられたこだわりの一品です。

縁側と一体化するLDK

建具を開放すれば縁側とLDKが繋がった大空間が生まれます。来客時は建具を閉じて縁側に、ご家族だけで過ごす時には開放して広いLDKにと、空間を自由に活用できるプランです。盛夏や厳冬期には縁側の空気層のお陰で冷暖房効率が良くなり、省エネ効果が期待できます。

杉の圧密フローリングを用いた縁側

建具を開放した際に違和感がないよう、縁側とLDKには同じ「杉の圧密フローリング」を使用。高温のローラーで圧をかけることで材の強度が増し、深みのある色合いが生まれます。アンティークの建具にもよく馴染んでいます。

施工事例2 縁側とウッドデッキが連続する邸宅

濡れ縁とウッドデッキが連続するモダンな外観

シンボルツリーである「スダジイ」を中心に、母屋と離れを配置したお住まい。板張りの空間は縁側というよりもウッドデッキに近い広さですが、同時に軒が深くかかり、縁側特有の「軒下」が生まれています。

リビングと接続する濡れ縁

縁側/ ウッドデッキはLDKとフラットに接続した、非常に開放的な空間。LDKに設けた堀座卓に座ると、縁側とその先に広がる庭の風景が目に飛び込んできます。

ハンモックを吊る下げた寛ぎのスペース

大きく張り出した軒と簾によって、直射日光や雨を遮りつつ、気持ちよい風が吹く憩いの場が生まれます。側柱を利用してハンモックを設置し、ご家族がゆったりと過ごせる素敵な空間に。

施工事例3 和モダンな縁側を持つ北欧テイストの住まい

組み合わせが和モダンな縁側

建物の形状を緩やかな「く」の字にしたお住まい。下屋の軒天に板を貼ってダウンライトを設置し、現代的な印象の縁側が生まれました。シンプルなグレーの外壁に明るい木目が映える、和風に偏りすぎない和モダンなデザインとしています。

「く」の字型に配置した住まいと濡れ縁

屋内から縁側を見る。お施主様がお好きな北欧家具を中心に、シンプルで機能的な家具、低彩度・高明度の配色、スッキリと片付いたミニマムなインテリア、木の質感など、随所にJapandiスタイルを取り入れています。

ナチュラルテイストの花壇

玄関の擁壁に設けた植栽スペース。大掛かりな花壇やハンギングバスケットではなく、控え目なグリーンが自然との一体感を生む、引き算のエクステリアです。

施工事例4 袖壁のある濡れ縁を設けたモダン住宅

袖壁のあるモダンな縁側

斜めの直線で構成されたシャープな外観に、アースカラーでもあるこげ茶色を合わせた、モダンな佇まいの中に和のテイストを感じる和モダン住宅。

下屋ではなく屋根が軒となるモダンな外縁

軒が掛かっているため濡れ縁とも言えるし、屋根の位置を考えるとウッドデッキとも言える、和洋折衷な中間領域。コンクリートと砂利を採用した前庭はデザインに曲線を取り入れており、枯山水のような風情も漂います。

アースカラーをインテリアに取り入れた内観

濡れ縁と繋がるLDK。床や柱の濃い茶色、壁の白、ラグの緑と、インテリアはアースカラーで纏められています。

施工事例5 古民家×洋風縁側の住まい

木の質感が古民家風の住まい

アンティークの蔵戸と黒い木目調の外壁を採用した、古民家風のお住まいです。

軒がかかる和風のウッドデッキ

蔵戸を利用した玄関、深い軒、木の質感……全体的に和テイストで纏められていますが、幅広の濡れ縁とウッドデッキが連続することで、和モダンな空間となりました。

ボリュームのある下屋を活かしたモダンな室内

格子戸を配置した大開口でLDKと繋がります。ボリュームのある下屋と桁、柱の配置により、屋内にも内縁のような空間が生まれました。

施工事例6 大工の手仕事が生きる広縁のある和風住宅

伝統的な和風建築

純和風の外観ですが、軒の厚みを極力抑えることで全体の印象をスッキリとまとめました。杉の丸太を使った土庇が玄関に風格を与えています。

伝統的な二間続きの和室

床の間・仏間を備え、真壁、京壁、竿縁天井と、和風建築の伝統を踏襲した二間続きの和室。床の間に用いたのは杉の天然絞り丸太、欄間はケヤキの一枚板から彫刻家が彫り出した逸品です。随所に大工の技が光る、近年見ることが少なくなった伝統的な和室となりました。

庭に面した広縁

相生杉(あいおいすぎ)の木目が美しい、4尺5寸(約1m35cm)の広縁。お施主様が大切に育てている盆栽や庭木をゆっくりと鑑賞するスペースです。

施工事例7 縁側を和モダンにリノベーションした平屋住宅

縁側と居室を統合し洋室にリノベーションした和室

縁側と居室を一体化し、和室を洋室にリノベーション。フローリング張りの広々とした部屋をつくる一方で、欄間はアクセントとして残し、和風建築を活かしたモダンな空間としています。

スプーン加工を施した縁側

客間は畳を替えて和室のまま残しつつ、隣接する縁側はスプーン加工を施してモダンな雰囲気に。和洋が折衷する素敵な縁側空間が生まれました。

リノベーションで増設したウッドデッキ

LDKの外には新たにウッドデッキを設けました。和風建築の味わい深さを残しつつ、適所に機能性を組み込んだリノベーションです。

施工事例8 アンティークモダンな広縁のリノベーション

広々としたご実家を、左右分離型の二世帯住宅にフルリノベーションしたお住まいです。和風建築ならではの空間を残してリフォームすることで、新旧・和洋が折衷したアンティークモダンなお住まいに生まれ変わりました。

広々とした玄関に繋がるのは、一般的な廊下よりも幅が広い、幅4尺5寸(約135cm)の広縁です。玄関ホールに黄緑色のアクセントクロスとブルーのモザイクタイルを用いて、和モダンな空間に。

2階子世帯の寝室は、和室から洋室へとリノベーション。広縁と居室を仕切る建具はそのまま残し、黒く塗装して障子部分をオープンに加工しました。

寝室に隣接した広縁にはアクセントクロスを貼り、天井・床に幾何学模様のデザインを採用。真壁の構造を残すことでアンティークモダンな空間に仕上がりました。庭を眺めるサンルームとして、また室内干しが可能なランドリールームとして、多様な用途に活用することができる特別なスペースです。

こだわりの家づくりは平成建設にお任せください

近年、暮らしを豊かにする空間として、縁側や土間のような「中間領域」が再評価されています。平成建設には、和風建築について詳しい設計士や大工職人が多数在籍しておりますので、お客様のこだわり、好きなもの、理想とする暮らし、何でもお気軽にご相談ください。お客様のライフスタイルに合わせて、和モダンから純和風まで幅広く、縁側のある住まいをご提案させて頂きます。

また、平成建設では建築と漆を組み合わせた「漆芸空間」をご提案しています。

漆の仕上げ方法は幾つかありますが、廊下や縁側にお薦めなのは素材の質感を活かした「拭き漆」です。漆を塗った板は耐水性、耐久性が増し、使い込むうちに次第に色に深みが出てくるため、磨けば磨くほど深い味わいが生まれます。

平成建設三島南ショールーム では実際に漆を用いた縁側をご体感いただけますので、ぜひご予約の上、ご来場ください。専門家による家づくり相談も随時受け付けております。

平成建設三島南ショールーム「漆の間」

まとめ◆日々進化する縁側

近年は畳敷きの居室が減っているため、縁側のデザインも従来のものとは変わって来ています。今はまだノスタルジックな空間としてイメージが共有されている縁側ですが、将来的には今とは全く異なった姿になっているかもしれません。

使用される建具、広さ、居室との接続方法などが変わっても、縁側の持つ「中間領域」としての役割は変わりません。 日本の文化や風土と共に発達した温度調整機能、換気性の良さ、自然との一体感など、縁側の持つ様々なメリットを上手に生かすには、土地の形状や周辺環境、住まう方の暮らし方に合わせて設計できる、自由設計の注文住宅がお薦めです。

監修 安藤 正和

一級建築士/宅地建物取引士

メディケアサポートHABAや平成建設本社建替工事など、大型物件のプロジェクトリーダーを務める。