

七曲(ななわだ)は木目をひと繋ぎに連続させつつ、立体的なカーブを自由に描くことができる木製手すりです。
一般的に木製の手すりでカーブを描く場合、ブロック状になった無垢材・集成材を成型して繋ぎますが、この方法では材の切断面で木目の連続性は途切れてしまいます。
しかし「七曲」の木目は最初から最後まで一続きの線として連続性を保ち、つなぎ目のない曲線はどこを握ってもしっくりと手に馴染みます。
これを実現したのは木を知り、木を愛する大工ならではの発想。「美しい木の手すりとは何か」を追求した一品です。
なぜ木目があり得ない曲線を描いて繋がるのか? それは厚さ1mmという非常に薄い単板を曲げながら加工し、1本の木材になるように幾重にも重ねているからです。
そして材が均一に積層する「七曲」は自由な曲線を形成するだけでなく、同時に四方柾目調の美しいラインをも実現します。
「柾目」とは木目がまっすぐに通った材のこと。
非常に優美な材ですが、年輪に対して直角に切り出さねばならず、一本の木から限られた量しか採取できません。
「七曲」ならば通常の柾目板では決して製作することのできない曲線を、柾目と同じ優雅さをもって製作することが可能です。
職人を育てる企業だからこそできること、「大工だからこそできるデザイン」に挑戦したのが「七曲」です。
本来固い素材であるはずの木を柔らかく曲げ、更に柾目調の木目を一続きにするという発想は、木という素材を知り尽くし、木の美しさを愛する大工ならではの着眼点です。
大工の丹念な仕事によって曲線を描く木は決して衒わず、まるでそれが自然の姿であるかのように穏やかに佇んでいます。