
近年都市部の地域コミュニティが減少傾向にある中、入居者の専有スペースを確保した上で、オーナーが中心となって入居者同士、または入居者と地域をつなぐ「+α」の仕組みをつくり、コミュニケーションの創出を可能にしています。
1階にはオーナーが営むカフェ(AOI COFFEE)があり、カフェという空間でオーナーを中心に気軽に人と人がつながります。また、カフェのテラスや1階のシェアスペースを使ってマルシェやフリーマーケット、ワークショップなどのイベントを月に一度開催。地域の様々な店が出店し、地域住民も多く立ち寄りにぎわいます。さらに1階、5階の一室と屋上にコミュニティスペースを配置。ヨガや語学教室、バーベキューなど様々な企画が行われます。入居者だけでなく、地域の方やカフェの常連でも参加が可能です。その結果、入居者は入居者同士のみならず、地域住民ともつながりやすくなります。
建物は街並みに馴染むことを意識し、地域の方を受け入れコミュニケーションを生み出すための工夫をしています。近隣へ近接しすぎないよう余白をつくり、その余白部分を緑化。カフェのテラスにしたり、一階住戸の小さな専用庭とすることで、建物利用者の居心地の良さも叶えています。
また、土地活用や相続税対策として建てられる賃貸マンションにおいて、収益性は切り離せない問題です。各種メーターを建物の外に出し、共用部をコンパクトにまとめることで一般的な賃貸集合住宅より10%程度レンダブル比を引き上げ、事業性も確保しています。
住戸は快適性を重視。センターコア配置を採用することで全住戸を角部屋としています。限られたスペースの中で動線を最小限に、バス・トイレ別を条件に最大居室面積を実現。また、無垢の床材や躯体そのままを現しとした打ち放しコンクリートの壁など、建物の寿命に対して普遍的な価値を持たせています。