躯体そのものを生かした設計
室内は、階高3.3mの3階建てとすることで天井高を確保し、気持ち良い生活の営みと精神的な解放を実現しました。 外観は、2種類のコンクリート型枠を使い分け、骨材の配合で色味を変えコントラストをつけています。 設備類は縦ルーバーで隠し、すっきりとした外観を形成。 水平と垂直を意識した線構成は街並みにリズムを与え、伸びやかなファサードは歩行者にも気持ちよさを伝えます。
過剰な装飾を排し、シンプルで洗練された日本古来の美を体現したRC造賃貸集合住宅。 無機質なコンクリートは杉板型枠により豊かな表情を与えられ、経年変化で更に味わいを増していきます。 共用ホールや中庭は人と人との交流を促し、建物を介して人々が繋がる場を創出。 住人を優しく包みながら、年月と共に地域の風景と重なり成長していく建築です。 建物名は、フランス語で“小さな庭”を意味しており、建物を通じて、住人はもちろんのこと、地域の人々にも豊かな緑を提供することを願ってつけられました。 お施主様は何棟もマンションを所有されていますが、これからの時代を生き抜くために、詰め込み主義の経済ありきのマンション計画よりも、⻑い間人々に愛されるマンション計画に踏み切られました。
設計:株式会社 中山眞琴アーキテクツ / 施工:株式会社 平成建設
室内は、階高3.3mの3階建てとすることで天井高を確保し、気持ち良い生活の営みと精神的な解放を実現しました。 外観は、2種類のコンクリート型枠を使い分け、骨材の配合で色味を変えコントラストをつけています。 設備類は縦ルーバーで隠し、すっきりとした外観を形成。 水平と垂直を意識した線構成は街並みにリズムを与え、伸びやかなファサードは歩行者にも気持ちよさを伝えます。
量産クロスのグラデーションに始まり、フローリングやビニールタイル、既製品のキッチン、断熱材+胴縁付コンクリート型枠など、将来の交換を考慮しながら既製品と造作箇所を選定しました。 壁の多くはコンクリート打ち放しとし、過剰な装飾をせずとも品位ある空間を生み出しました。 間接照明を多用し、天井にはシーリングライトではなくダクトレールを採用。住人それぞれの生活を彩ることを望んでいます。
打ち放し仕上げは、コンクリートを流し込む型枠の精度がそのまま仕上がりの表情となるため、型枠工事には熟練の技術が求められます。 さらに、仕上げに杉板型枠を用いる場合、通常の型枠を組み立てた後に杉板を一枚一枚張り込む工程が発生します。 本物件では1フロアにつき400枚以上の杉板を使用することになり、その膨大な作業を建物全面に施工した点が、このプロジェクトの難所となりました。 現場監督の緻密な計画と職人の精密な施工によって遅延なく工事は完了。意匠性の高いコンクリート打ち放しのマンションの完成を迎えることができました。