WORK 109
「古民家風居酒屋のような住まい」という明確なコンセプトをお持ちだったお施主様。平成建設のショールームにて「居酒屋風リビング」をご覧になり、ご自身のお住まいにも囲炉裏風のダイニングテーブルを設えられました。 土間、天然木の座卓、囲炉裏風テーブル、薪ストーブ、アンティーク建具と、古民家テイストで統一したLDKは、隣接する竹林を借景としてまるで旅館のような佇まい。世界に一つだけの特別な住まいが完成しました。
外観には和の要素を取り入れつつ、古さを感じない、モダンな佇まいを目指した。屋根から出ているのは薪ストーブの煙突。薪ストーブは当初からのご要望のひとつ。
伝統的な洗い出し仕上げの玄関に、間接照明を仕込んだ相生杉の式台を配置した。
玄関周りはお施主様が買い求められたアンティークの下駄箱に合わせて設計。下駄箱の材は杉・欅・檜とのこと。
下駄箱上部に配置したアンティークの欄間は、ただの飾りではなく明り取りの役割も果たしている。
向かって左側にはベンチを造作し、漆の手すりを設置。お客様が靴の着脱をしやすいように配慮した。
薪ストーブを設置した居酒屋風のリビング。囲炉裏風のテーブルを設けたダイニングは、ヒノキの付梁と化粧柱によって個室感を高めている。
掘り込み囲炉裏をイメージしたダイニングテーブル。
囲炉裏風ダイニングテーブルにアンティークショップで購入した自在鉤や和箪笥を組み合わせた。丸窓の外には竹林が広がり、旅館のような佇まい。
ダイニングテーブル上部の折り上げ天井には目立たぬように換気扇を設けた。
古民家風の佇まいの中、住宅設備は最新のものを採用し、デザイン性と暮らしやすさの両方を追求した。キッチンの背面収納は流通品をベースに、天板には塗装したスギの一枚板を使用。
目線の高さや使い勝手を考慮して、土間、リビング、ダイニング、キッチンと少しずつ段差を設けてゾーニング。間接照明を用いることで旅館のような佇まいが完成する。
板張りのリビングに鎮座するテーブルは、ケヤキの耳付き一枚板を加工したもの。リビングの一角には内土間を設け、薪ストーブを設置した。
滑らかな耳を活かした一枚板のテーブル。ひび割れを止める「ちぎり」がテーブルのアクセントにもなる。
動線を長く取って、意識的にプライベートな空間とLDKとを分けている。建物の中心に配置された廊下は暗くなりがちだが、天窓を設けることで解決した。
キッチン、洗面脱衣室、プライベートスペースがそれぞれ繋がる回遊動線を設けた。オリジナルの洗面化粧台にはタモを使用。シンプルモダンなデザインで旅館のような仕上がりに。
和モダンなテイストを壊さないようにデザインされたトイレ。紙巻や手すりにも統一感を持たせている。向かって右側に見えるのはコンパクトな手洗い。
対になるアンティーク建具。アンティークショップで購入した建具を使用する場合、建具の方に合わせて枠材を製作する。
客間に設けたモダンな吊り押し入れ。
田子 幸代
小林 健太郎 山崎 卓也 藤田 奈生 小山 卓也
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