コートハウスとは?メリットや設計ポイント、間取り別の施工事例8選

コートハウス 注文住宅

外部からの視線を遮り、内側に開くコートハウス。安全性や防犯性、プライバシーを重視する方々を中心に、人気が高まっている間取りです。コートハウスの中庭は周囲を建物や塀・壁に囲われているため、一般的な住まいの庭よりもプライベートな時間を過ごしやすくなります。今回はコートハウスの3種類のレイアウトや、コートハウスをより快適な住まいにするためのコツをご紹介します。

編集 平成建設

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コートハウスとは

英語の「court」は「建物や塀などで囲われたスペース」のこと。「court」を含む英単語は「Royal Court(宮殿)」や「Courtyard(中庭)」がありますが、どちらも「何かに囲まれた空間」というイメージは共通しています。日本の「コートハウス」はCourtyardから来ていますが、英語で「コートハウス」というと裁判所の意味になるので注意してください。

コートハウスには、四方を建物や塀に囲まれた「ロの字型」、三方を囲まれた「コの字型」、二方向に建物が接する「L字型」の3種類のレイアウトがあります。ここでは、ロの字・コの字・Lの字、それぞれのコートハウスの特徴をご紹介します。

ロの字型のコートハウス

住まいの中心に中庭を設置し、建物や塀で四方を囲うロの字型のコートハウス。建物に幅と奥行きが生まれるため、正方形に近い敷地形状と相性の良いプランです。

ロの字型のコートハウスは3タイプの中で一番囲われている安心感があるレイアウト。建物の面積が大きく、庭の面積が小さくなります。

コの字型のコートハウス

三方向を建物で囲い、一方向を開放しているのがコの字型のコートハウス。一般的に開いた方向には目隠しの壁や塀、植栽を設けて外部からの視線を遮りますが、完全には閉じていないため、ロの字型のレイアウトより開放的です。

コの字型のコートハウスはロの字型とL字型の中間的なレイアウトで、それぞれの良さを活かした間取りにすることができます。

L字型のコートハウス

コの字型よりも更に開放的なのがL字型のコートハウス。コの字型とよく似た配置ですが、二方向が壁や塀になるため建物に厚みを出したり庭に奥行きを出したりすることができ、長方形の敷地形状と相性の良いプランです。

L字型のコートハウスは建物の面積を抑えて広い庭を設けることができるため、プライベートな庭で長時間過ごしたい方や自然を身近に感じたい方、ガーデニングを楽しみたいという方にお薦めのレイアウトです。

コートハウスは都市生活との相性が良い

コートハウスは、プライバシーの保護や防犯性の向上と、大開口の開放感を同時に満たすことのできる間取りです。特に隣家との距離が近く交通量が多い都市部での人気が高く、外から見ると窓のない堅牢な住まい、中に入れば中庭から明るい光が降り注ぐ開放的な空間という例は多く見られます

坪庭とコートハウス

日本古来のコートハウスと言えば「町家造り」。町家は江戸時代の商家のことで、店舗と居住スペースが一体になった住まいのことを指します。通りに面して効率的に店舗を並べるために、一軒一軒の敷地は細長い形をしており、店(表)と居間(奥)を細長い廊下や通り土間で繋ぐのが一般的。廊下の横には通風・採光の役割を果たす坪庭が設けられ、まさに「コの字型」の原型とも言えるレイアウトを形成しています。欧米の「コートヤード」は石やタイル張りの中庭が多く、通路として活用されることもある空間。手水や地植の木々があり、しっとりとした下草や苔を配置する「坪庭」とは趣が異なります。坪庭は日本ならではのコートヤードと言えるでしょう。

坪庭

コートハウスの魅力とメリット

近年人気が高まっているコートハウスですが、庭を建物で囲う仕様上、どうしても建築コストが高くなったり建築工期が長くなったりする傾向があります。そういったデメリットを超えるコートハウスの魅力について、5つの視点からご紹介します。

1.開放感とプライベートを両立できる

コートハウス最大の強みは、外向き(外周部)の開口部を最小限に抑えることができる点です。外に向かって閉じ、内に向かって開くコートハウスは、プライベートは守りたいけれど窓のカーテンを閉めっぱなしにはしたくないという方にぴったりのレイアウトです。閉じた中庭ではプール遊びやヨガ、日光浴などを人目を気にせず楽しめますし、よりクローズされた環境にして、露天風呂や大開口のお風呂と繋げることもできます。

2.防犯性能が高い

空き巣の侵入口で最も多いのは「窓(57.6%)」です。また、侵入手段は「無施錠」と「ガラス破り」の二つが多く、この二つだけで全体の83.6%を占めています。(リクシル「マド本舗」2017年調べ)コートハウスは開口部を住まいの内向きに集めているため外部から侵入しづらく、防犯面を重視する方にお薦めです。

外部からの視線が届きづらい点にも注意

塀や壁は外部からの視線を遮ってくれますが、一旦庭に侵入されてしまうと、犯行を見え辛くすることに注意してください。侵入の足がかりとなるような荷物を屋外に置かない、外出する際にはきちんと施錠する、不在であると気づかせないよう自動的に室内の電気を点灯するなど、日頃から防犯意識を高く持ちましょう。

3.お子様やペットが安全に遊べる

小さなお子様やペットを公園で遊ばせる際には、「遊具で怪我をしないか」「変な人が来ないか」といった心配ごとがあります。また、自宅の庭遊びでも敷地から出てしまったり車道に飛び出したりする危険性があり、遊ばせる際にはしっかりと見守る必要があります。

一方、建物や壁で囲まれたコートハウスの中庭ならば、お子様やペットが外部に出てしまう危険性が低く、安心して庭遊びをさせることができます。更に、中庭にウッドデッキを設置して屋内と高さを揃えておけば、転倒を防止したりペットの腰や脚に掛かる負担を軽減したりすることができます。

4.日当たり・通風を確保できる

住まいの中心に中庭を配置することで、庭に接する居室や空間に効率的に光と風を導くことができます。コートハウスの間取りを検討する際には、人間の動線だけでなく採光・通風の経路も併せて検討しましょう。

5.内観・外観から受ける印象が変わる

道路から見ると窓の少ない堅牢な住まいのように見えるのに、屋内に入ると大開口の明るい空間が広がっている――コートハウスにはそんなシークエンスの変化による驚きが詰まっています。毎日惚れ惚れと見直すのも良いですし、お客様を招待して驚かせるのも楽しいですね。

より快適なコートハウスを作るために気を付けるポイント

建物に囲まれた庭、内向きに配置された窓、中間領域の活かし方など、特殊な条件が重なるコートハウス。より快適な住まいを建てる上でポイントとなる点を8つ、設計士の経験を踏まえてご紹介します。

1.通風計画を考慮する

コートハウスは外向きの開口部を抑える傾向がありますが、風の流れが悪いと室内の空気が淀んでしまいます。空気の流れを考慮して、中庭から吹き込んだ風が屋外に吹き抜けるよう適切な位置に窓を設けましょう。夏の熱い空気を逃がすためには天井に換気用の窓を設けるのもお薦めです。窓は外観上のアクセントにもなりますので、性能・デザイン性両方を満たせる位置に配置しましょう。

2.十分に採光できるよう計画する

内側に大開口を設けるコートハウスは、中庭からの光の入り方が非常に重要です。太陽光の入射角度は季節によって異なりますので、夏の日差しは遮り、冬の日差しは多く取り込めるよう、四季を通じてシミュレーションしてみましょう。大空間LDKの場合、中庭からの採光だけでは部屋の奥まで光が届かないことがありますが、高窓や天窓を設けることで採光を補うことができます。

3.生活動線を考慮する

コートハウスは庭を囲むように居室が配置されるため、どうしても生活動線が長くなりがちです。特に平屋ではその傾向が高くなるため、水回りはどの部屋からも行きやすい位置に配置する、玄関から遠い部屋には裏口を設けるなどの工夫をしましょう。庭にウッドデッキを設ければ直通の通路にもなりますので、雨天時にも通れるよう庇を掛けても良いですね。

4.断熱性能を高める

コートハウスには開放感を求めて大開口を設ける方が多いのですが、開口部の面積が増えれば増えるほど日射量が増加します。冬季は日射量が多い方が良いのですが、夏季は室温が高くなりエアコンの効きが悪くなってしまいます。大きな窓を設置するのであれば断熱性能の高いものを選びましょう。

断熱性の高い窓の選び方

窓の断熱性能を高めるために良く用いられるのが、ガラスとガラスの間に中間層を設けた「複層ガラス」。ガラスが2枚のものと3枚のものがあり、3枚のものの方が断熱性能は高くなりますが、金額も高くなります。また、中間層に注入するガスの種類を変えたり、逆に真空にしたりすることで断熱効果は変わりますし、ガラスに金属膜をコーティングすることで断熱効果を高めることもできます。近年人気の高まっている樹脂サッシはアルミサッシに比べて熱伝導率が低いため、暑さ・寒さが室内に伝わりにくくなります。

5.上方からの視線も考慮する

コートハウスは外部からの視線を遮ることが出来ますが、近隣に自邸よりも高層階の建物がある場合、上部からの視線についても検討が必要になります。建築前に周囲の環境を調査し、見え方についてシミュレーションをしてみましょう。お薦めの対策は深い軒と縁側を設けること。外部からの視線を遮ると共に、雨天時にも使える中間領域を生み出してくれます。また、建物のボリュームを特定方向に偏らせることで、視線の届き方をコントロールすることができます。

6.庭の手入れのしやすさを考慮する

四方を建物で囲われたロの字型のコートハウスは、庭の手入れがし難いレイアウトです。落ち葉や雑草の始末、植物の植え替えの際には屋内を通らないと外に出ることができず、手や服についた土の汚れも気になります。

ロの字型のレイアウトでは、タイルやウッドデッキを敷いた中庭に鉢植えのグリーンを設置するプランが人気。オリーブやシマトネリコ、ベンジャミンなどを大きな鉢に植えることで、中庭に運び込むことも、中庭から運び出すことも容易になります。

おしゃれで実用的な通り土間

緑豊かな囲い庭にしたいという方にお薦めなのが、通り土間。通り土間は、一般的には玄関と裏口を繋ぐ土間のことを指しますが、靴を脱がずに二つの屋外空間を結ぶ通路として、中庭と玄関を繋ぐことにも使えます。

7.用途に合わせて窓を使い分ける

一般的な掃き出し窓は引き違い戸を採用することが多いのですが、コートハウスの中庭は「閉じた庭」であるため、多様な選択肢があります。隣接する空間の用途に合わせて窓のタイプを選びましょう。

開放感を演出したい

おすすめ:折戸サッシ/引き込みサッシ

引き違い窓は最低でも1面分のガラス戸が残りますが、折戸や引き込み戸ならば全面開放が可能です。リビングや寝室に導入されることが多く、庭を居室の一部にしたい方にお薦め。

ロケーションを活用したい

おすすめ:FIX窓

庭を鑑賞したい場合にお薦めなのがピクチャーウィンドウとしてのFIX窓。窓枠や框が不要なので視線を邪魔されることがありません。玄関や二階以上の廊下・ホールに使われることが多い窓です。

頻繁に出入りする

おすすめ:片開きサッシ

中庭や濡れ縁を通路として使う頻度が高い場合、引き違い戸よりも片開き戸がお薦め。開閉が簡単で使い勝手が良く、省スペース。気密性も高くなります。FIX窓との組み合わせも人気です。

8.水が溢れない排水計画を立てる

外部に向かって開かれた庭に比べ、建物に囲われた中庭は雨水が溜まりやすい構造をしています。最近は集中豪雨の被害も増えていますので、中庭にはしっかりとした排水設備を設けましょう。特に四方を建物に囲まれているロの字型のプランは水を逃がしにくいため、庭と床の間にきちんと段差を設けることをお薦めします。部屋と中庭の段差解消と雨水処理を同時に満たすためには、ウッドデッキの設置が有効です。

排水設備ないと床下に雨水が侵入することも…!?

一般的な木造建築の場合、雨水が溜まると床下に流れ込み、家が傷んでしまうことがあります。中庭には必ず排水設備を整備しましょう。

「ロの字型」のコートハウス施工事例

建物で中庭を完全に囲ってしまうロの字型コートハウスでは、中庭はリビングの延長にある半屋外空間として活用されることが多いようです。芝生ではなく石やタイルを敷いたり、お子様やペットが安全に出入りできるよう、屋内の床と高さを揃えたウッドデッキを設置するプランが人気。庭に緑を加える場合、地植えよりも鉢植えを採用した事例を多く見かけます。

施工事例1「平屋のコートハウス」

外に向けた開口部を極力抑えたコートハウス外観

極力開口部を抑えた外観。外に向かって閉じ、内に向かって開く間取りがコートハウスの魅力の一つ。

地窓のみとすることでコートヤードへの期待を高めるエントランス

玄関の正面は中庭なのですが、敢えて開口部を抑えて閉鎖的なイメージにしたエントランスホール。地窓で中庭の存在を匂わせつつリビングに大開口を設けることで、視覚的な変化が生まれ、開放感が強調されます。

コートヤードに面して大きな開口部を設けたLDK

中庭に向かって大きな窓を設けた大空間LDK。住まいの中心にある中庭は、愛犬をリードレスにしても安全に遊ばせることのできる空間です。お施主様は愛犬の爪で傷まない床材を希望されたため、玄関ホールから中庭まで同一のタイルを使用しました。

タイルを敷き詰め、排水設備を完備したコートヤード。

四方を建物に囲まれているロの字型のコートハウス。庭をぐるりと囲うように排水溝を設置し、雨水対策は万全です。庭の中心に植えたオリーブの木は、モダンなタイルとの相性も抜群。

施工事例2「RC造のコートハウス」

中庭を中心にガラス張りの通路を設けた玄関ホール

住まいの中心に中庭を設けた3階建て住宅。極力外向きの窓は設けておらず、主に中庭から採光する間取りです。玄関と応接間は土間で繋がっており、お客様は靴を脱がずに席に着くことが出来ます。

上空から光が降り注ぐ中庭

住まいの中心に設けた坪庭。取り囲むように配置された居室に光と風を導きます。上空から光が降り注ぐ、非常に印象的な空間です。

中庭に面したガラス張りの回廊

中庭に渡された2階廊下は両壁面がガラスになっているため、浮遊感のあるデザインとなりました。太陽の光が降り注ぐ、明るく開放的な回廊です。

中庭に面したルーフバルコニー

3階に設けたルーフバルコニー。外部に向けては目隠しの壁を設け、中庭側に開けるレイアウトを採用しました。人口の多い都市部に於いて、開放感と防犯性の両方を実現したお住まいです。

施工事例3「水盤のあるコートハウス」

大開口でリビングと繋がるコートハウス

住まいの中心にプライベートな庭を設けたロの字型のコートハウス。大空間LDKに明るい光が降り注ぎます。

水盤を設けたコートハウス

お施主様の「水が流れる音を聞きたい」というご要望を受け、中庭には水盤を設けました。常に水を流しているわけではなく、流したり止めたりできるのが特徴です。特に夏場は水で飲み物や果物を冷やしたり、水遊びを楽しんだりと、様々な楽しみ方ができる空間です。

湧き出る水

水源は滾々と清水が湧き出でる井戸です。庭を彩るグリーンは地植えではなく鉢植えを活用しました。

「コの字型」のコートハウス施工事例

コの字型のコートハウスは中庭から敷地の外へ繋がる細い通路を設けることも多く、一般的な庭のように芝生を敷いたり木を植えたりする方もいれば、全面にウッドデッキを設ける方、ウッドデッキと植樹を組み合わせる方など、庭のデザインもライフスタイルに合わせて多種多様です。

施工事例4 ウッドデッキと芝生のあるコートハウス

ナチュラルな木塀で囲われたコートハウス

中庭を囲うように建物を「コ」の字型に配置して一面を木塀で囲ったコートハウス。最近人気が高まっている、建物の一部だけ2階建ての「ほぼ平屋」のお住まいです。グレーの塗り壁に木の質感を合わせ、和洋を折衷して纏めました。

大開口で中庭と繋がるLDK

天井までギリギリの大開口で中庭と繋がっています。「コ」の字型のコートハウスは植物の手入れや片付けが比較的容易なので、芝生を敷いたり花壇を設けたりする方が多くいらっしゃいます。

コの字型の建物に囲まれた中庭

芝生の中庭と室内を、濡れ縁とウッドデッキが繋ぎます。庭、縁側、屋内という段階を踏んだ中間領域によって、様々なアクティビティを楽しむことができます。

施工事例5 囲い庭のコートハウス

玄関とは別に庭への出入口を設けたコートハウス

中庭をコの字型の建物で囲み、外部に繋がる壁に開口部を設けたコートハウスです。正面に見える扉は玄関に、左手に見える扉は中庭に繋がっています。

土間テラスとロックガーデン

土間テラスとロックガーデン、鉢植えを配置した中庭。パブリックなLDKとプライベートな寝室の距離を広げ、中庭を挟んで対面するように配置しました。外に繋がる外壁は斜めに切ることで圧迫感のないデザインとしています。

中庭に向かって大開口を設けたLDK

大空間LDKは中庭の方向には大きな窓を設けつつ、対面の壁には高窓(ハイサイドライト)を設置して採光しています。大きな空間の場合、部屋の端に光が届かないことがありますので、採光を補助するために高窓や天窓を設けることをお薦めします。

施工事例6 白い庭を持つコートハウス

SE構法を用いたコの字型のお住まい

将来的に隣家が近接することが予想される、分譲地での建築。プライバシー保護と開放性を両立するため、中庭を囲むように建物をコの字型に配置しました。白い外壁はメンテナンス性を高めるために光触媒を施しています。

建物を美しく照らし出す照明計画

ライトアップされた外観夜景。庭に向かって窓が連続するレイアウトはSE構法ならではのもの。1階の外周部は視線を遮るように敢えて開口部を抑えています。

白玉石を敷いた中庭

建物に囲われた中庭には白玉石を敷き、シンボルツリーであるカツラを植えました。

屋内から中庭を見る

濡れ縁を設けることで庭と屋内の段差を緩和しています。内部はお施主様のお好きな北欧テイストに合わせ、木質感のある仕上がりとしました。

L字型のコートハウス施工事例

L字型のコートハウスは建物に合わせて細長い庭を設けることが多く、屋内からウッドデッキ、ウッドデッキの先に芝生というように、庭を分節して変化を持たせることができます。

施工事例7 シンボルツリーを囲むコートハウス

住まいをL字型に配置し、離れと塀で周囲を囲ったコートハウス

母屋をL字型に配置し、倉庫と離れ、木塀で外部からの視線を遮るL字型のコートハウス。

建物と塀に囲まれた中庭

右手に見えるのは離れです。庭の中心には大きなスダジイを植樹し、緑豊かなお庭になりました。L字型のコートハウスの場合、こちらのお住まいのように芝生や木を植えることが多く、自然により親しみたいという方にお薦めです。

中庭のシンボルツリーにブランコを設置

シイの大樹からぶら下げたブランコ。広いお庭ではお子様が自由に駆け回ることができます。

LDKには大開口を設け、縁側・ウッドデッキを介して庭と接続しています。引き込み戸を採用することで全面開放が可能になり、庭との一体感が進みます。軒が深いこと、LDKが広いことから、天井に明り取りの窓を設けました。

施工事例8 河川に開かれたコートハウス

閉じた印象の外観

母屋をL字型に配置し、倉庫兼離れと屋根で繋げたお住まいです。庭に繋がる開口部には扉や柵はありませんが、屋根の効果で「閉じた」印象が強くなります。

引き込みサッシで庭とリビングがシームレスに繋がる

お施主様は庭を屋内の延長空間と捉え、リビングや寝室、2階から直接庭にアクセスできるように計画されました。リビングの大開口には引き込み戸を採用しており、庭と室内がシームレスに接続しています。

河川に向けて建物を配置することで自然のコートハウスが生まれる

L字型の母屋と向かい合うように、一方向には倉庫兼離れを、もう一方向には池を配置。その先には河が広がっているため、第三者の視線が届かなくなっています。このように自然環境を活かして庭を囲うことで、より開放感のあるコートハウスを作ることが可能になります。

施工事例9 大開口のコートハウス

囲い庭のコートハウス

玄関とLDKでL字型を形成するコートハウス。残りの方向は塀で囲み、ご家族がゆったり寛ぐことのできる囲い庭が完成しました。LDKの大開口はウッドデッキに繋がり、庭もリビングの一部のように使うことができます。

大開口で庭と繋がるリビング

こちらはLDKの様子。向かって右側に中庭を設置し、大開口で繋いでいます。環境上視線が届かない立地なので、庭の対面にも大開口を設けることができ、非常に開放的な大空間が完成しました。

おしゃれな玄関の植栽

玄関には鉢植えを設置。上部の明り取りから太陽光がスポットライトのように降り注ぎます。玄関やエントランスホールに大きな鉢植えを設置したい場合にお薦めのデザインです。

注文住宅でつくる理想のコートハウス

庭づくりと家づくりが一体化したコートハウス。開口部の大きさ・方向が制限されるため採光・通風の確保が難しく、また、庭を内部に抱え込むため動線設計にも高度な設計力が必要とされます。見栄えが良いだけでなく快適に暮らせる住まいを建築するために、ぜひ豊富な施工経験を持つ平成建設にご相談ください。

様々な注文住宅を手掛けた設計士が、一軒一軒、暮らす方のライフスタイルに合わせて動線・間取り・庭を総合的にデザインします。特に季節によって異なる光の取り入れ方や空気の逃し方など、パッシブデザインにご興味のある方はぜひお近くの平成建設ショールームに足をお運びください。

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まとめ◆暮らし方に合ったコートハウスを選びましょう

一言に「コートハウス」と言っても様々なレイアウトがあります。四方をしっかり囲われた、防犯面や安全面に考慮した庭にするのか、プライバシーを保護しつつも屋外との繋がりを残した庭にするのか、理想の暮らし方にどのような庭が必要なのか、ライフスタイルに合わせてご検討ください。

また、コートハウスは建物が特殊な形状になったり、窓を設ける方向が限定されたりしますので、計画地の大きさや形、周辺環境が重要になります。快適性を高めるためには光の取り込み方や風の抜け方を検討する必要がありますし、プライバシーを万全に保護したいならば接道や周辺の建物からの見え方を調査する必要があります。土地を契約する前にはぜひ設計士と共に現地を訪問し、思った通りの住宅が建てられるかどうか確認することをお薦めします。

監修 安藤 正和

一級建築士/宅地建物取引士

メディケアサポートHABAや平成建設本社建替工事など、大型物件のプロジェクトリーダーを務める。