WORK 182
秩序ある骨格(矩)と、木本来の荒々しさ(粗)が調和した「矩粗の家」。構造設計士であるお施主様が着目したのは、木ダボ接合積層材「DLT」です。「素材そのものが構造にも仕上げにもなる」という特性に加え、「木を余すことなく使い切りたい」という想いから、壁と天井の双方にDLTパネルを採用しました。シンプルなグリッドモジュールで構成された無駄のない骨組みは、構造としての美しさを際立たせるだけでなく、将来的な暮らしの変化にも柔軟に対応する空間のゆとりを生み出しています。
製材過程で生まれる端材や日焼け材など、本来は規格外とされるラフ材をあえて活かすことで、木目の違いや不均質な凹凸が美しい陰影を創出している。
木が持つ調湿効果やほのかな香りに包まれる心地よい空間。 日常の暮らしの中でつく傷や色の変化さえも、時を重ねるごとに味わい深い経年変化として楽しめる。
接着剤を用いないローテクな構法と、30×120mmのラフ材が織りなす不均質なテクスチャ。それらが空間に深い陰翳を生み出し、工業製品にはない根源的な生命力を与えている。
住まいの中心に配置された象徴的な階段は、段差に腰掛けて木の温もりを楽しめる、家族の格好の居場所となっている。
DLTを床面に採用することで、階高を最小限に抑えた。蹴上げ枚数を減らし、階段スペースのコンパクト化と昇降のしやすさを両立させている。
個性的な手すりは、材木屋で偶然出会った木材を、素材の表情そのままに活かしたもの。
壁付けのオープンキッチンにより、空間を最大限に活用。室内の壁と同じ色で天板を塗装することで、インテリアに違和感なく溶け込むデザインに仕上げた。
LDKで出迎える階段背面は、ディスプレイスペースや収納棚としての機能も兼ね備えている。
木肌に包まれた廊下を抜けた先に広がるLDK。ガラス越しに視線が抜け、象徴的な階段と開放的な空間が、住む人や訪れる人を優しく迎え入れる。
シンプルなグリッド計画により、素材そのものの美しさが際立つ素朴で力強い外観を創出。建物の高さを低く抑えることで、周囲の豊かな景観とも美しく調和する。
和知 祐樹 木守 亜美
坂内 大輔
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