WORK 129

ロックガーデンを楽しむセミコートハウス

外部からの視線をさり気なく遮りつつ、建物と壁に囲われたプライベートな庭に向かって「開かれた」お住まいです。 お施主様は、理想の家づくりやお好きなテイストに関して明確なビジョンをお持ちでした。 内装・外装にお施主様の「好きなもの」を取り入れ、コンクリートやセメント、鉄骨のような無機質な素材と温かみのある木材を組み合わせた、モダンとナチュラルが調和する表情豊かな空間を実現しています。

建築データ

  • 構造

    SE構法
  • 所在地

  • 築年数

    新築
  • 階数

    2階建て
  • 建築面積

  • 世帯数

    単世帯
  • 性能

    長期優良住宅
美術家のようなアシメントリーな外観

外観 Facade

外壁は防音性の高いパワーボード(コンクリート製の外壁材)を採用し、アクセントとして一部をタイル張りとした。ポーチには2台分の駐車スペースを確保し、大きなゲート状の構造体を追加。構造体の一部は駐車スペースの屋根になっており、雨天時でも濡れずに乗降車できる。また、外観にアシンメトリーな変化を持たせ、生活感を感じさせないデザインを構成している。

玄関ホールに設置した鉄骨階段

玄関・土間 Entrance and doma

広々としたエントランスホール。LDKは眺望の良い2階に設け、1階には客間として使う和室やご家族の寝室を配置。 玄関ホールの鉄骨階段は当初からのご希望だった。

マルチに使える玄関ホール

廊下・ホール Hall

ピアノレッスンを受ける、お子様がお友達と遊ぶなど、広々とした玄関ホールは多様な用途に使えるフリースペースになる。 壁の一面にはタイルを貼り、ライティングによる陰影や質感を楽しむアクセントウォールとした。

囲われた庭と掃き出し窓で繋がる1階ホール

廊下・ホール Hall

玄関からでも庭を眺められるよう、玄関ホールの突き当りには掃き出し窓を設けた。 カーテンボックスを建築に組み込み、カーテンではなくバーチカルブラインドを設置。このような一工夫で、上質な空間が生まれる。

ロックガーデンを設けたコートハウス

Garden

庭は、お施主様のお好きな無機物の質感をベースにデザインした。コンクリートの壁にコンクリートの舗装材、石を並べたロックガーデン。 シンプルモダンな質感の中に、植樹した灌木、軒天に貼った柔らかな木の質感がアクセントとしてよく映える。

石やコンクリートの質感を活かしたロックガーデン

Garden

建物と塀に囲まれた庭の中心には、こちらもコンクリート製のベンチ兼花壇を設置した。外部からの視線を遮り、ご家族がゆったりとした時間を過ごせる「閉じられた庭」を持つコートハウスは、近年人気の高いレイアウト。

石×灌木で構成するロックガーデン

Garden

花壇やロックガーデンに植える植物は、お施主様と造園業者様、設計士で相談して決めた。庭は花よりもグリーンがメインになるイメージ。

開口部を敢えて抑えたモダンな和室

和室 Japanese style room

方形の畳を敷いたモダンな和室。和室は客間としても使うため、当初より1階の玄関近くに配置したいとのご希望があった。 和室のすぐ横にはお客様が使う洗面台とトイレを設置し、プライベートな動線と交わらないよう計画している。 開口部は意図的に小さく抑え、プライバシー保護と外観デザインの二つを両立するよう配置した。

灰桜色の畳にスプーンカットの板畳

素材 Material

和室はモダンな灰桜色の方形畳を採用。板畳にはヨーロピアンオークを用いているが、より特別な空間に感じられるよう、通常のフローリングではなくスプーンカットされた材をご提案した。

勾配天井を活かした折り上げ天井のあるLDK

リビング Living

2階に配置した大空間LDKは、SE構法ならではのレイアウト。リビングは天井高さを高く取る一方で、ダイニングとキッチンは敢えて低くして落ち着ける空間としている。

木調×石調のキッチン

キッチン Kitchen

kitchenhouse 社製のオーダーキッチン。ノッティブラウン×ピアノベトンの組み合わせが、温かみのあるモダンな空間を生み出す。

kitchenhouseのオーダーキッチン

キッチン Kitchen

キッチン背面に設置したカップボードは5.4mほどの大収納。ダイニングテーブルとキッチンが一体化しているデザインは、計画当初からお施主様が希望されていたもの。

キッチンと一体化したダイニングテーブル

ダイニング Dining

木の質感と石の質感が調和する、モダンなダイニングキッチン。

レッドシダーを貼った折り上げ天井

リビング Living

リビングスペースの天井にはレッドシダーを貼った。LDKは一つながりの大空間だが、天井の高さや形状、素材を変えることで緩やかに分節している。

ルーフテラスに繋がる大開口を設けた2階LDK

リビング Living

セメントの質感を活かした内装ボード「SOLID」を貼ったアクセントウォールに、ウォールナットのテレビボードを造作した。 LDKに沿わせるように軒の深いバルコニーを設け、軒天にリビングと同じレッドシダーを張ることで室内外に連続性を持たせている。

折り上げ天井を導入したリビング

リビング Living

家づくりと並行して家具を選ばれていたお施主様。リビングにはL字型のソファを置くことが決まっていたため、ソファの配置を考えながら細かい調整を行った。

書斎兼図書室

図書室 Library

LDKに隣接して設けた図書室は、床・棚にウォールナットを採用し、全体的に落ち着いた雰囲気にまとめた。壁面に本棚を造作した図書室も、当初からお施主様が希望されていた空間。

  • 設計

    長澤 和孝 鈴木 佐知子

  • 大工

    竹内 雅之