WORK 181
富士スピードウェイを拠点とするレーシングチームのドミトリー。
本建築に求められたのは、単なる住居としての機能を超え、モータースポーツの未来を担う集団が “家族的な結束を固めるための「器」”としての在り方でした。厳選された自然素材は歳月とともにその風合いを深め、住人の研鑽の日々と共鳴しながら、唯一無二の情景を創り出しています。この拠点が「モータースポーツを起点とした、もっといいマチづくり」を牽引する種火となり、地域社会とチームを分かちがたく結ぶ象徴となることを期待しています。
写真:傍島利浩
効率やメンテナンス性のみを優先しがちな共同住宅の通例にとらわれることなく、職人の手仕事が宿る素材(煉瓦・石・土・木)を多用し、住人とともに呼吸し、時を経て豊かな風合いを増す「経年美化」を愉しめる、愛着の湧く建築の姿を追求した。
全開口部に採用した檜の木製サッシは、温かみのある意匠性と共に高い断熱性能を発揮し、結露対策と省エネ性を向上させている。
北側外壁には「透かし煉瓦」を配することで、大通りからの視線を遮りつつ、風が通り抜けるプライバシー性の高い居住環境を実現。
この地域特有の湿潤な気候に対し、通風とプライバシーを両立する「外廊下」と「透かし煉瓦」 の外壁を用いた。
還元焼成による重厚な煉瓦や、表面のみならず全周の小口まで、一枚ずつ丹念に割り肌加工を施した石英岩を採用し、新築でありながら長い歴史を刻んできたかのような、奥行きのある表情を実現している。
エントランスに足を踏み入れると現れる、高さ10mの3層吹き抜け。各階で分断されがちな空間をひとつに繋ぎ合わせるように、土壁による静かな地層の連なりを表現した。
共用のラウンジ
レーシングチームのドミトリーという特性に鑑み、「会社(パブリック)」と「住戸(プライベート)」をあえて地続きに捉え、その境界に両者を繋ぐ「バッファ」としての共用空間を配置した。
ガレージとラウンジを一体化させた開放的な共用空間。
オンとオフが緩やかに交差するこの場所で、メンバーが愛車を介して自然体で交流し、家族のような信頼を育む環境を構築した。
和知 祐樹 後藤 潤 高村 厳樹
木工事:駒井 剛 飯島 千秋 / RC:西野 航平 眞田 芳生 山下 聡 栗田 信行
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