WORK 165
築155年以上の年月を重ねた古民家を再生させるプロジェクトです。この土地ならではの風土や建築を歴史から紐解いた上で、歴史的な価値を守りつつ、現在のライフスタイルと調和させました。 元の図面がなく工法も現代とは違う古⺠家を再生するべく、設計士は現地で柱や梁の実測調査を行いました。また、既存のものをいかして後世に残せる建物にして欲しい、もし将来的に建物が解体されたとしても、再活用できるような建材を使って欲しいというお施主様のご要望に応え、建材には土壁や羊毛断熱材、木板天井など、極力自然由来のものを使っています。既存住宅の立派な古材の数々は、経験豊富な平成建設の職人たちが丁寧に加工。取り換えではなく修復できないかと意見を交換しつつ、設計士、職人たちが一丸となって取り組みました。
155年以上の時を経た重厚さを損なわぬよう、伝統工法を継承しながらの古民家再生を果たした。
屋根は既存家屋の外観プロポーションを調整し、瓦を全面葺き替えしている。
現代では使われることが少なくなった土間を一部リノベーション。暮らしやすさを追求し、式台を設けることで土間と居室の段差を緩和した。
古民家の重厚さは残しつつ、住宅設備は最新のものを設置し、畳はすべて板間に変更。日常生活やメンテナンス性能が向上し、部屋間の移動もしやすくなった。
左に大黒柱、右に小黒柱。それを繋ぐ牛梁と井桁に組まれた小屋組。
住まいの中心となる立派な大黒柱と、日本の伝統的な間取り。磨き抜かれた大黒柱は、経年変化ならではの輝きを放つ。また、建具の開閉でひとつの大きな空間にも分割した空間にもできる。
薪ストーブの暖かさを感じながら食事するダイニング。建具を開け放つ、または取り外すことで客間と繋がり、一つの空間として使うことができる。
二間を一間にリノベーション。建具は板張りの床に合わせて新たに造作。
古民家の特徴ともいえる広縁。寝室の一部に取り込んだ、内外をあいまいに繋ぐ空間。
3.0帖と7.5帖の二間続きの和室を繋げた寝室。梁は新たに追加したもの。部屋の雰囲気を壊さぬよう、大工自ら梁を選定し、現場で加工した。
天井の材は、既存家屋の下地材を再利用した。経年変化による色合いと、土壁職人が手掛ける美しい塗り壁が調和する空間。
天井高を確保するためにあえて既存の梁を露出させた。キッチンやトイレ、浴槽などの住宅設備は、快適に過ごせるように最新のものに変更した。
趣のある土壁は、調湿・蓄熱・防火性能に優れ、薪ストーブとの相性が良い素材。建物を解体しても産業廃棄物が出ないようにしたいというお施主様のご要望に応え、建材は極力天然素材を使うようにした。
解体時の様子。
大工の「根継(ねつぎ)」の技により、古材を次世代へと繋ぐ。
善田 健二
平松 哲朗 油谷 友弥
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