WORK 160
築60年の古民家改修です。こちらのお住まいは15年ほど前にリノベーションを行い、耐震性や断熱性は向上しましたが、新建材を多く使用したことで伝統的な雰囲気が薄らいでいました。今回のリノベーションでは、古民家らしさを最大限に活かしつつ、間取りを全面的に見直して暮らしやすさを追求。この土地独特の建築文化の中に現代的な仕様を取り入れ、新たな価値を創造して未来へとつなぐ改修を目指しました。
リノベーションで土間を拡張し、家族の動線とは別に、お客様が直接客間へ向かう動線を設けた。細工が美しい玄関脇の組子障子は、既存住宅から移築したもの。
玄関脇に設けたお客様をもてなすパブリックスペース。 客間に面して約7帖の広々とした土間を設け、昔ながらの古民家の雰囲気を再現した。
かつてのLDKは、客間として使う二間続きの和室へと改築。玄関から近い場所に客間を配置することで来客時に使いやすい間取りへと改善した。アンティークの格子戸は既存住宅から移築したもの。
印象的な木彫りのオブジェも既存家屋から移築している。その下にはお客様が靴を脱がずに寛げるようベンチを造作した。
和室の欄間、組子の障子も既存住宅から移築し、新造の和室だが古民家の風格が漂う空間となった。
日本の伝統的な「田の字型」の間取りに従い、このお住まいも日当たりの良い南側には座敷を、北側には居間や炊事場が配置されていた。 今回のリノベーションでは、ご家族の暮らしやすさを優先して間取り全体を見直し、客間は北側に、LDKは日当たりの良い南側に配置しなおした。
二間続きの和室から、ひと繋がりのLDKへと生まれ変わった。竿縁天井は一度取り外して丁寧に洗い、明るさを蘇らせている。
壁掛けテレビの背面には和室で使っていた框戸を活用した。太く立派な柱や鴨居はそのまま残し、和と洋が融合し、日本建築の魅力を次世代へと継承するデザインとしている。
本多 弘泰
木工事:高橋 亘
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