WORK 75
間伐材を活用したマッシブホルツのお住まいです。 北海道に植林されたトドマツは主伐期を迎え、しかしその間伐材は使用用途が充分に確立されておらず、利用推進が滞っています。 こちらのお住まいはそんな間伐材を隙間なく敷設し、ビスで接合して強靭な厚板を形成、屋根・床に用いることで「頑強な構造」を得るとともに、「間伐材の有効活用」も果たしています。 現在二人暮らしのご夫婦は、将来的にこのお住まいを地域のコミュニティの場にしてほしいとのご希望をお持ちでした。 いずれは公共施設やカフェとしても活用できるよう、ご夫婦のプライベートスペースは2階にコンパクトに集約し、1階は30人以上を収容できる大空間としたお住まい。 地域の未来を見据え、次世代へと受け継がれる建築の提案です。(写真:水上ゴロウ写真事務所)
北海道という土地柄、冬を快適に過ごすために配置にも工夫を施した。
冬季の日射を最大限に採り込むべく、妻面が南北正対になるよう配置。建物北面は最大限の採光を得るべく全面ガラスを採用。
南面は夏季の強い日差しを避けるために遮光ルーバーを設置した。機能性のみならずデザイン的なアクセントにもなっている。
建物の形状は雪が均等につもり、均等に溶けるよう左右対称のデザインとした。
1階のパブリックスペースはマッシブホルツならではの柱のない70㎡の大空間。
両壁面ともぐるりと収納空間を設けた。壁面の収納は扉を閉めることで壁と一体化する。
2階は独立架構としているため、理論上は撤去も可能。将来的な使用用途によって、空間を自由に再デザインすることができる。
地域のパブリックな場として使われることを想定しているため、1階と2階にキッチンを設けた。
床下には蓄熱型床暖房が埋め込まれており、蓄熱タンクを温めたあとの廃熱を有効に活用している。
こちらは1階のモダンなキッチン。
1階に設けたトイレ・洗面・シャワールームが一体化したスペース。
ご夫婦のプライベートスペースは2階に集約。水回りを中央に配置し、左右にリビングと寝室を配置した。
2階の中心に据えられたコンパクトなキッチンユニット。
大空間を実現したリビング。天井が高く、広々とした開放感がある。
キッチンの側面・背面は収納ユニットを設けた。
夜になれば、漏れいづる柔らかな光が雪景色を暖かく照らす。
法政大学 網野 禎昭 教授 和知 祐樹(平成建設)奥村 賢史(平成建設)
新栄工建株式会社
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