雑記

お気に入りの「道具」

皆さま、こんにちは。平成建設藤沢支店設計課の長野です。

 

いきなりですがご覧の通り、メンチカツバーガーです。

川崎で施工中の現場近くにあるこのパン屋さん、近くにたまたま住んでいる監督からの紹介でしたが、これは確かに人に勧めたくなる体験。厚めのメンチカツの下にたっぷりとしたキャベツの千切りをさらに分厚いバンズで挟みこんでこれでもかというヴォリュームに圧倒されつつ、どこからでもどうぞ好きに齧ってくださいという抱擁感。

ちょっと試してみたいという方は現場にぜひご一緒しましょう、お声かけください!

 

さて肝心の木造住宅の現場進捗です。

四角い穴が三つ空いているのは、配線が出ていることからなんとなく分かりますね、天井に埋め込まれるダウンライトと呼ばれる照明のための開口です。よく見かけるものは丸いタイプのものが多いですよね。今回のお宅では建物全体が和洋折衷ということもあって、スクウェアタイプを要所々々で選定しています。通常丸い型のダウンライトの場合は開ける機械を電気屋さんが持っているので割合スムーズに事は進むのですが、四角くなった途端に下地にかける手間が増えてきます。開ける穴に角がでてくると下地のボードが割れやすくなるため下地の補強が必要になったり、縦横の位置が通っているので少しずれるだけですごく目立ってしまうので位置だしが慎重にならざるをえません。そのため今回は大工さんが電気屋さんに協力していただいてなんとかかんとか無事に事は運んだのだとか。苦労の跡を感じさせないスマートな社員大工さんにはいつも本当に感謝感謝です。

 

それでは恒例のお気に入りの紹介です。今回は「道具」です。

平成建設に大工さんが多いことはよく知られて(?)いますが、もちろん設計者もたくさんいて、それぞれ使用している文房具にも個性がでます。それぞれのこだわりが道具への思い入れにも出ていて、それを見ればああこの人はこんな風に物事をとらまえているんだなあというのがよく分かります。たとえばこのピンク色のペンは私が設計を始めた20年以上も前からの愛着ある一品なのですが、商品名がまさしく「サインペン」。1963年から販売されているらしく、実際使用したことのある方も多いのではないでしょうか。

まだ計画がラフな初期段階のアイデアを練る際に使うことが多く、あまり細かいことは気にせず大胆に構想を紙に定着させていきます。描く絵は平面的な二次元の情報ですが、そこには計画敷地を眺めてきたときの空気の手触りをどんな風にすればより気持ちよい場所に変換・伸長できるのかの未来への手探りがあって、時間軸もあわせれば四次元ですね。当たりがついてくれば加工し易い発泡スチロールを使って立体化していきます。この模型はオーナーさんへのプレゼンテーション用ではなくて、あくまで設計者がアイデアを練るための道具となります。これをためつすがめつしていると色んな見え方がしてくるもので発見が多々あり、また平面図に戻ってより精度を上げて検討していきます。そんな過程を何度か行きつ戻りつし基本計画が固まっていきます。最終的に出来上がった建物を見たときに、思い描いていたものとそれ以上に予想だにできなかった豊かな世界が拡がっていたりすることもあります。ある程度今までの経験で仕上がりが予想できる部分と、多方面からの意見を聞く中で悩んだ末ちょっとここは新しい可能性が潜んでいるぞという勘所が見える時があって、後者の要素が多いほど完成した建物の中に拡がる世界の厚みは多彩であるような気がしています。山に登る道程、どこを切り取り味わってみても尽きることのない豊かさに包まれて。