今週の平成建設+

雪を見に行きたかった 2

最近電車で遠出する機会が増えたせいか、ひと昔前に比べて列車遅延が増えたなあと思うことがあります。特に「異音」での緊急停止、それに伴う周辺列車の全停止に何度か出くわし、そろそろ鉄道インフラも寿命なのかなあと思う次第です。

雛飾りワークショップを開催しました

2月1日・15日の二日間、沼津市の netsugi café にて雛飾りワークショップを開催しました。イベントの様子をお伝えしますので、次回「こいのぼり」への参加をご検討中の方、ぜひご覧ください。

女性大工が起案すると可愛い内容になり、男性大工が起案すると実用的になります。

まずは講師より工程の説明など。今回は意外と、パーツを切り分けることが難しかったとの声がありました。現実は Ctrl+Z で戻れませんからね。

戻りたいこと多いんですけどね~ケーキ床に落とした時とか…

板を選定します。厚い板は飾り台、薄い板は屏風になります。木目の感じとか配色とかで悩みますが、実はこれが一番楽しい説もありますね。

さて、雛飾り本体の板はクランプで固定して切ります。これが難しい。力の加減が均一でないと、斜めになっちゃったりする。

固定がだいじ。

パーツを切断したら断面を滑らかにします。

多少の調整はやすり掛けでカバーできなくもない。

パーツが滑らかになったらあとは塗装です。

襟はマスキングしてますね。見本は間違えたらしいですよ。ここだけの話。

難しいところは大工がサポートするのでご安心ください!

にこ!

いかがでしょうか。小さなお子様でも製作可能な木工体験、次回は「こいのぼり」です。ぜひお気軽にお申込みください。

雪を見に行ったのに城を見ている

前回のあらすじ:旅の前日に夜更かししてはいけない。

探したわけでもなく見つけるとちょっとテンション上がります。

松本のご当地マンホールは毬。「松本てまり」という名産品だそうです。手毬は日本全国どこでも作られましたが、着物と同じく地方ごとに特徴的な文様があり、松本の手毬は白地に連続模様が特徴です。実際この絵柄も白が映えてますね。

さて松本ですが、さすがは城下町、古い家並みが良く残っています。

あの辺に大手門があったらしい。

こちらは女鳥羽川。もともとは真っすぐだった流れを曲げて松本城の外堀とした川。しかし氾濫すると曲げたところから越水するらしい。アカン。今は掘削工事で溢れないようになったそうですが、川の流れには水の理というものがあるんでしょうねえ。

ところで信濃というのはいまいち所属が曖昧なんですが、諏訪氏が滅びた後、南の方は武田、北の方は上杉の所領ということで宜しいか?

武田といえば素破ですが、これは自来也っぽい。自来也さんは熊本生まれ長野育ちです。

川を渡ると「縄手通り商店街」のシンボルである、外連味のある蝦蟇が歓迎してくれます。
縄手通りは女鳥羽川に沿って展開する長屋形式の商店街で、古い町並みが再現された絶好の観光ポイ

ふあっ!?

…何……だと……?

ふぁー……

どゆこと。これ……
……中央本線乗ってる間に100年ぐらい経過しちゃったの?

想定外すぎて頭のなか真っ白ですわ。

人間は狼狽するとあちこち歩きまわるもので、ショックを受けつつ周囲をうろうろするものの完全閉店状態です。意味わからん。本当に意味が分からん。そして突然目の前に巨大な鳥居が現れました。

ぼくの考えたさいきょうの祭神ズみたいな……

ん゛?

造化三神??

造化三神こんな風に祀る? 彼らは氏族の神々を「日本神話」として体系づける際に整備されたものであって、こういう祀られ方は……

天之御中主神は天地開闢の際に最初に現れた神で、突如出現した後、特に何もせずにフェードアウトします。高皇産霊神・神皇産霊神はそのあとに出現した神で、それぞれ伊勢P・出雲Pという担当がありますが、天之御中主神は本当に出てくるだけの神様なんですよね。後世になって習合されたり属性追加されたりしていますが……

不思議なもので、神話にはこういう「3点セットで出てくるけど特に何もしない神」がいます。圧倒的空気のお兄様・月読命なんかもそうですね。なんでおるんやと言われても「そういうもんだから」としか言えませんが、ただ対立する勢力の間にこの「なんもしない人」がいることで物語の緊張感が解れる気がします。神話にはそういう……息継ぎをするような空白が必要なのかもしれません。

ちなみにこの「太陽」「月」「その他(※日食・月食を引き起こす何か)」という3つの組み合わせは世界中に分布していますが、日本神話の三貴子の場合、「その他担当」の素戔嗚が月読の神性を全部吸い取った感じはあります。

後日調べたところ、ここ四柱神社は明治政府によって設置された「神道中教院」(明治政府主導で進められた、政教一致思想を教化する道場)だったそうです。道理で。どこかの氏族ではなくすごく国家神道的な組み合わせだと思った。

松本は水の街ですので、あちこちから南アルプスの天然水が湧水しています。

まあいい。商店街のことは忘れて蕎麦を食べに行こうじゃないか……
いいんだ。商店街はおまけであって、松本のメインイベントは蕎麦を食べることなんだ……

本日のハイライト!

信濃蕎麦は事前にじっくり調べ、お店は既に選定済みです。向かったのは「蕎麦倶楽部 佐々木」さん。休日には行列ができるお店だそうですが、さすがに正月明けの平日は待っている人もおらず、というか結論から申し上げると休みでした。

混雑を完璧に避けるあまりお店すら休みの日をピックアップしてしまうこの能力が憎い。

休みでした。

何なのこの旅行……

公式サイトがないお店の不定休を知るのは無理……やで……

動揺を抑えきれぬまま、とりあえず向かいの「パンセ小松」の扉を押し開きます。

こちらは長野名物「牛乳パン」の超有名店でして、事前に予約していた牛乳パンを無事購入。とにかくすごいサイズ感です。

これは現地でないと買えない逸品。

どのくらいの大きさかと言いますと、百人一首の箱、あれが一番近いと思います。カロリーどれぐらいあるのだろう。1,000kcalは軽いと思いますが、こうなるともう冬山行動食レベルね。

さて……もうこの後、どうしよう……

さすがにどこのお蕎麦屋さんでも、長野だから美味しいと思うんですよ。ただやっぱり旅行ですから、トップオブ長野のお店に行ってみたいわけです。しかし蕎麦屋はだいたい14時には閉店してしまうし、今はもう13時30分を回ってる。時間がないし、場所も微妙に駅から離れてしまった。

結論として、「とりあえず城行くか」になりました。

人間は混乱すると訳わからん行動をとりがち。

場所が微妙なところでしてねェ~…松本城まで徒歩5分、ただし駅に戻ったら城は再訪できない距離で、松本に来て城見ずに帰るのもどうなんだというのもあり……

国宝なのは分かるんだが。

あと、城の近くで蕎麦屋探すのがいいかなと思ったんですよ。

めちゃくちゃ念押ししてくるよね。

大事なことなので繰り返しているとは思うのですが、松本城って定冠詞のごとくあらゆる表示に「国宝」ついてますね。

(蕎麦屋どっかにないか…)

はい城。(雑)

(蕎麦屋……蕎麦屋……)

はい別角度。(雑)
よし見るもの見たから蕎麦屋に行こう。

しかしその時はまだ、蕎麦には道(タオ)があるということを知らず、一流を求めるあまり分不相応な店に足を踏み入れることになろうとは思いもしませんでした。