インタビュー

くきの皮膚科様 座談会1

◇ 座談会メンバー紹介 ◇

くきの皮膚科様の営業担当と設計担当の3人よる座談会を始めるにあたり、それぞれのプロフィールを軽くご紹介します。

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営業担当 長野 剛貴(ながの ごうき)

営業部次長。医療分野において開業計画(用地選定から設計、施工、融資交渉、会計、職員募集等)から実際の開業に至るまでワンストップで提供する新事業を立ち上げる。
開業された久木野先生は高校時代の先輩であり、開業計画時には内外の取り纏め役を担った。

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設計担当 奥村 賢史(おくむら さとし)

一級建築士。
住宅・店舗等を中心に幅広い設計分野に携わる傍ら、設計部課長として若い設計士の育成にも力を注いでいる。
長身、細身、オーバル眼鏡という「いかにも設計士」な風貌は、お施主様の安心感の一助となっているかもしれない。シンプルなラインを用いた設計が多く、程よく直線、程よく曲線。

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設計担当 石川 美央(いしかわ みおう)

一級建築士。
住宅、リフォーム、マンション、店舗といった、様々なジャンルの設計に携わる。工事部、リフォーム部、設計部と各部署でキャリアを積んだユーティリティプレイヤー。
じっくり考え、一歩一歩確実に前進するスタイルでお施主様に寄り添う。いつも自然体で後輩も声をかけやすい存在。きっとお施主様にとっても気軽に声をかけやすい存在。

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◇ お施主様ご夫婦と我々 ◇

  • まずは久木野先生の第一印象からお願いします。剛貴さんはお知り合いだったんですよね?

  • 長野

    「でもね、僕が知り合いだったのは高校3年生までだから(笑)。20年ぶりぐらいなので……最初はどう話そうか考えていたけれど、話してみたら昔と変わっていなくて安心しました」

  • 奥村

    「僕は柔らかい方だなあと。ご夫婦ともに優しい印象ですよね」

  • 美央さんはどうでした?

  • 石川

    「私は着工前から参加したので、既に人間関係が出来ていた状態に受け入れてもらった感じです」

  • 奥村

    「関わったのは主に監理から……」

  • 石川

    「そうですね。奥様がとても話しやすい方でした。先生が迷われていると『こっちじゃない?』とピシッと決めてくださる感じ」

  • インテリアは主に奥様のご意見だと聞きました。

  • 奥村

    「そうです。途中から、先生が奥さんに『決めて』と仰ってませんでしたっけ? 僕はセンスに自信がないからって(笑)」

  • 一同

    (笑)

  • 石川

    「設計士の前だと意見が言いづらいという奥様もいらっしゃるんですけど、久木野先生の奥様はそういうことが全然なくて、ハッキリと仰ってくださいました。とても親しみやすい方です」

  • パッと決められたのは、奥様の中に明確なビジョンがあったからでしょうか。

  • 石川

    「『病院らしく』と仰ってましたよね?」

  • 奥村

    「そうそう。何というか……最近流行りの、ちょっと落ち着いたカフェっぽい感じじゃなくて、病院らしい感じがいいと。木をいっぱい使って、とかそういう感じではなくて、基本は白。内装は白を基調として……という話は、最初の頃からされていましたね」

  • 『病院らしさ』を重視されていた。

  • 石川

    「引き締まった気持ちで働けるからと仰ってました」

  • 長野

    「コンセプトはね、あったみたいで。『あまり遊んじゃうのはちょっと……』 と。医療機関ですから」

  • 石川

    「あの土地に合うように、とも仰っていたように思います」

  • 奥村

    「外観の色味は土地の色味に合うようにして欲しいと言われましたね」

  • 長野

    「内部は清潔感があるようにしたいとかね。考え方はわりと古風な方なんです。ただデザインに関しては奥村たちの意見を大事に聞いて、尊重してくださいました」

  • 石川

    「奥村さんは凄く信頼されていましたよね。奥村さんがそう言うならならそうしましょう、みたいな(笑)」

  • 長野

    「家具が入って、奥村さんが言ってたこの青は良かったねって奥様も仰ってたから、良かったと思います」

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待合室の椅子・ソファの青は、奥村からの提案。白がベースとなった空間に程よいアクセントをもたらす。

◇ プランが現在のボリュームに決まるまでのお話 ◇

  • 設計プランの変遷についてお聞きします。最初は井戸や太陽光パネルがあったと聞きました。

  • 奥村

    「最初は凄く『したい』って仰っていたけれど、途中で自然消滅したのかな? 井戸と太陽光の他にも、ガレージが欲しいというご希望があったんですよね。これも最終案ではなくなりました。
    あと今と違っているのは広さと部屋数かな。診察室も今より多ければ、処置室とは別に手術室もあって、トイレももっと大きくて。ざっくり言うと、1.5倍ぐらいだったかなあ……?」

  • 大きいと気付いて小さくしていったと仰っていました。

  • 長野

    「要所要所で『ちょっと大きいんじゃないですか』という話はしていたけれどね。具体的な金額が出て、これはちょっと……という話になって、金額を抑えるには面積を小さくするのが一番早いし、それではそういう方向にしていきましょうと。

    これが住宅の場合なら、年収から返済可能な金額が逆算できるので、融資額も自動的に決まってしまうのだけれど、事業物件、特にお医者さんの場合は、計画がしっかりしていれば融資してもらえる金額の幅が広いんですよ。
    そしてたとえ融資額が大きくなっても、その分事業が上手に回ればそれはそれでいい循環になっていくので、どこまで予算を抑えるかというのは人によって違うんです」

  • 奥村

    「住宅は資金面がハッキリしているので……幾ら掛けられるか最初に大体分かるから、計画はそれほどブレないことが多いです。
    今回の場合、恐らく当初のプランでも融資は可能だったと思うんですけど、先生は堅実な方だったので、コストを出して検討した時にちょっと大きすぎるねと。色んな人の話を聞くとやっぱり大きい、一人で診察するには大きすぎるのでと仰って、今の大きさに調整していったんですよ」

  • 長野

    「例えば診察室の数だって、患者さんが着替える時間ひとつとっても、2つより3つ、3つより4つあった方がスムーズなんです。着替えている間にドクターが別の部屋に移動して診察できるから、時間の短縮になって診られる患者さんの数が大分変わってくる。それも『いい循環』の1つだよね。

    大きいと感じるか小さいと感じるかも、人によって違うもの。診察室の広さだって、今までやってきた経験に左右されるでしょう。狭い診察室でやってきた人は狭い部屋でいいと思ってるし、広い診察室ばかりだったら広い部屋が普通だと思っているし」

  • 一概に大きい小さいとは言えない。

  • 長野

    「そう。人によってスケール感が全然違うんだよね。だから、そこはこちらから『この規模なら診察室は1つでいい』とか……2つでいい、3つでいいとは言えないんです」

  • そこはドクターの価値観で決まりますか。

  • 長野

    「そうだね。こちらもドクターがどう感じるかを掴みながら提案していきます。ただ、ご本人にも勉強していただく必要があるんです。スケール感というか、ボリューム感というか……
    大きい、小さいを判ずる前に建築物のスケールを体感してもらう。普段使っている机の幅が何センチかなんて分からないだろうし、ベッドの長さも分からないと思うんですよ。だから、まずはそこからですね」

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現場にて。図面上が立体になった時のスケール感は、中々想像がつかないもの。
また、家具のある部屋、ない部屋でも印象は全く異なる。

◇ 設計プランが2パターンあったお話 ◇

  • 当初のプランは現在と違っていたと聞きました。

  • 奥村

    「というか、最初は配置が2種類あったんです。縦長のパターンと方形のパターンとの2つを提案していて、それを同時変更でずっと進めていた。契約のちょっと前ぐらいまで、変更のたびに2つのパターンをお見せしてたんですよ」

  • 石川

    「ずっと2プラン描いてたんですか?」

  • 奥村

    「ずっと2プラン。打ち合わせでちょこちょこ要望が出たり無くなったり……その都度、2パターン作ってた。
    最初はあまり中のプランは詰めないで、ざっくりと『どちらの方向性で行きましょうか?』というところからスタートしていますね。その後細かい部分の要望を、こんな部屋いりますか、他に欲しい部屋はありますか、とかいうのを確認事項で聞きながら、次の段階で間取りを1回作成して」

  • 一番大きく変わったところは?

  • 奥村

    「何かが凄く変わったというのはあまりないかな。大きさが変わったのと部屋数が減ったのと……それ以外の基本的な構成は変わっていないですね。最初から」

  • 同時に2つというのは大変でしたか?

  • 奥村

    「いや、僕もどっちがいいか迷っていた部分もあるので……配置が変われば中身も変わってくるから、ここは2つ出すべきかなと。そこはそれほど苦労ではなかったです。

    金額が出てから少し規模を抑えましょうという話になって、診察室の数を減らしたり、中待合が必要かどうか検討したり、あと手術室が処置室と兼用になって……トイレも男女・子供が別々で授乳室もあったのが、最終的には多目的と女子トイレだけになりましたし。
    建物が小さくなって、代わりに職員用の駐車スペースが出来て……

    あ、ご要望がもう1個あった。バーベキューがしたい」

  • 一同

    (笑)

  • 石川

    「これは残りましたね(笑)」

  • 残っていますか?

  • 奥村

    「それはまあ……プラン的に大きなルーフバルコニーができたので」

  • あそこでやるんですか? あそこの上?

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こちらが噂のルーフバルコニー。とても広々として、確かに何かに活用したい空間。

  • 奥村

    「実際にやるかは……奥様が『は?』みたいな(笑)」

  • 一同

    (笑)

  • 奥村

    「『本気?』と(笑)」

  • ドクターのご希望としては、バーベキューをしたいと。

  • 奥村

    「やりたいって仰ってましたよ」

◇ 設計チームと奥村式人材育成 ◇

  • 誰が誰と組むという、設計チームはどのように決まっていますか。

  • 石川

    「特に決まりはないです」

  • 奥村

    「まあ仕事の状況と、あとはお客様との相性も見て決めます。お客様の好みとか、年齢とか、性格をある程度考えてから」

  • 今回、美央さんを選ばれた理由は。

  • 奥村

    「今回は新しく調べたり、調整しなければいけないことが沢山あったので、『じゃあよろしく』で仕事を任せられるからですね。これが1年生だったりすると、手取り足取り教えないといけないから、ちょっと僕の負担が大きい」

  • 石川

    「私と同じぐらいのキャリアの設計士だと、奥村さんは業務を『お任せ』なんですよね(笑)。その分若い人たちを、時間かけて教えてるってことだと思っています」

  • 奥村

    「そう(笑)。美央さんの場合はお任せ。基本お任せだから」

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「お任せです。」

  • 人を育てる時は、やらせてから指摘しますか、それとも細かく指定してからやらせますか?

  • 奥村

    「それは人によって違うかな」

  • 石川

    「それで分からなかったら、すぐ聞くって感じで。奥村さんは聞きやすい雰囲気だと思うんですけど、聞きに来ない人っていますか?」

  • 奥村

    「中々聞きにこれない人もいる。まあ、そこは性格で違うから」

  • すぐ聞きに来る人、聞きに来ない人、自分で考えたい人、設計部内にも色々居る。

  • 奥村

    「いますね」

  • 正直自分がやれば早いけれど、遠回りすることもある。

  • 奥村

    「あるけれど、それは我慢してます」

  • 色々な人と組むメリットとは。

  • 石川

    「色んな人の考えを知ることが出来るし、あの人の良い所とこの人の良い所を組み合わせる、みたいなこともできます。ひとりの人とみっちりやるのも良いと思うんですけど、色んな人と一緒にやった方が、自分の幅が広がると思います」

  • 今回は長澤設計士もオブザーバー的に参加していました。

  • 奥村

    「主に最初の頃、プランを見てもらったりアドバイスをもらったりしました」

  • 上司に相談するということではなく?

  • 奥村

    「それぞれ得意分野があるので、何かを聞きに行く時はそれに関して詳しそうな人に相談します。上司だからという理由ではなくて。部内は階層的ではなくて、もっとこう……ぐちゃぐちゃしている(笑)。僕はどちらかと言えば法的に大丈夫かどうかを聞くことが多いけれど」

  • 長野

    「そんなに垣根は高くないよね。ざっくばらんにね」

  • 石川

    「私は迷ったら聞いちゃうタイプなんです。自分で悩んで考えることも勿論大事なんですけど、それをした上で、それでも答えが出ないのなら、最終的には『聞ける』という環境はいいなと。だから後輩にもばんばん聞きます。『このプランどう思う?』って」

  • ちなみに美央さんから見ると奥村設計士はどんな人ですか。

  • 石川

    「そうですねえ……年齢が2歳しか違わないんですけど、そうとは思えないほど知識と経験が豊富で、質問に対するアドバイスの的確さと迅速さ、あとデザインセンスが素晴らしいと。早く追いつきたいと思っています。いつも頼りにしている先輩です」

  • 奥村

    「なんか凄い人みたい(笑)」

後半は平成建設設計部について、そして忘れられないエピソードをご紹介します。

くきの皮膚科

くきの皮膚科

静岡県伊豆の国市韮山
2016年4月1日に開院された「くきの皮膚科」様 公式サイトです。
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