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住宅建築事例02「都心の平屋」
設計士と大工が実現するお客様の夢

都心の密集地に佇む純和風の木造平屋。設計士の巧みな発想力と、大工の伝統的な技が詰まった、平成建設ならではの住まいとなりました。担当したのは設計士の山田徹さんと大工の大山慶人さん。大山さんは大工仕事の他、現場監督も兼任。二人の担当者に話を聞いた。

玄関の目隠しに使用した木格子がアクセントの外観

Q 平屋を建てることはお施主様の「夢」だったそうですね

山田:はい。純和風の平屋のお住まいを建てることは、お施主様の長年の夢だったそうですが、なかなか実現できる会社を見つけられずにいたそうです。
平成建設には大工がいるため、お客様の望む純和風建築の難しいおさまりにも対応できましたし、都心における防火規制に対しても、私と大山大工で打ち合わせを重ね対処できました。

居室や広縁でぐるっと囲われている中庭は、 どの部屋からでも眺められるよう計画している

Q とても開放的な中庭ですね

山田:ありがとうございます。中庭はどの部屋からも眺められるようになっています。書斎には堀座卓を設えており、上下に開閉できる猫間障子を開けると、腰掛けながら庭を愉しむことができます。また、玄関には火灯窓という風景を切り取ることのできる窓を設けました。障子を開けると広縁と奥庭まで見通すことができます。

火灯窓からは広縁と中庭、茶の間、奥庭まで見通せる

Q 隋所に大工の技を感じます

大山:和の設えは細部にまでこだわっており、木製サッシも大工の手で製作しています。また準防火地域の関係で防火雨戸も製作しました。どちらも窓辺にすっきりとおさめ、住まいと中庭に一体感をもたらすことができました。

木製サッシと防火雨戸も製作。中庭周りはガラス戸の大開口

Q 大山大工は、現場監督と大工を兼任したそうですね

大山:はい。目に見えるところも大事ですが、住まいを長持ちさせるために見えないところをどうすべきかと現場監督目線で考えてつくっています。例えば、風情ある和の空間に溶け込むように、エアコンや換気扇といった設備は目立たないように隠しています。檜風呂にも換気口を小さく設けているのですが、しっかり湿気対策をしないと傷んでしまうので、壁の裏側に通気層を設け、天井裏からも換気できるようにしました。

製作洗面台と檜風呂。檜風呂は造り付けの浴槽、壁、天井も檜で設えている。

Q 山田さん 、今回のプロジェクトを終えての感想は?

山田:お施主様は、京町屋や老舗旅館、昭和初期ごろに建てられた実業家の旧邸宅などを参考に、理想とする住まいについて明確なイメージをお持ちでした。私も、その熱意に刺激を受けて思い切った設計ができたと思います。中庭は壁を設けずに柱と建具だけで構成し、室内と庭が一体の空間として感じられるよう配慮しました。 お施主様は長年の夢が叶えられ、非常に喜んでおられました。こんなにも喜んでいただる設計ができたことを私も嬉しく思います。

■ 山田 徹 / Toru Yamada (2010年入社、藤沢支店設計課)
中途入社。設計士と管理職を務め、藤沢支店の設計スタッフをまとめる存在として熱い支持を得ている。平成建設に入社してよかったところは「ものをつくったり考えたりすることが好きだったので、実際に手を動かしてものを作る職人(大工)と直接話しながらものづくりができるところ」だそう。

Q 大山さんはいかがですか?

大山:大工として非常にやりがいのある現場でした。こういった大工ならではの技術が必要とされる現場に携われたことに感謝しています。お施主様は私たちのために完成したお住まいでパーティを開いてくださったり、私たち大工と設計士の名前が刻まれた記念プレートまでつくり、それをお住まいの一部に埋め込みたいとまでおっしゃってくださいました。今回のようにお施主様に喜んでいただける住まいをこれからもつくっていきたいです。

■ 大山 慶人 / Yoshihito Oyama (2003年入社、大工工事部)
新卒入社。一年半工務の経験を積んだのち大工工事部に移動。監督もできる大工であり、部内の管理も行う。 netsugi workshopネツギワークショップという大工主催のイベント企画にも力を入れており、精力的に活動している。平成建設のいいところは「面白い人がたくさんいる」こと。

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