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大工の日々―平成建設職人集団

古材の家 完

こんにちは。ご無沙汰しております。平松です。

今年ももうあとわずかですね。やらねばやらねばと思いながらも色々言い訳を並べてサボってしまっていました。鎌倉のブログを締めて新しい年を迎えようと思います。

お引渡しも無事に終わり、その後も生活が落ちつかれるまでは棚を作りに行ったりお庭造りの手伝いをやらせてもらったりと、最後の最後まで大工が関わらせていただきました。知らなかった世界の職人や仕事と触れあえた経験は絶対に忘れないようにしていこうと思います。

T様、そして日影先生、本当に有難うございました。

少し先走ってしまいましたが、大工一同よりコメントをもらってきたので、順に載せさせてもらいます。

こんにちは。大工の飯島です。(大工工事部一課)

T様邸では主に加工場での仮組、鎌倉での建て方で関わらせていただきました。
作業担当はクレーンの無線相番です。普段の住宅に比べて、とにかく大きく重く多い、桁違いの迫力でした。古材の手刻み伝統的な組み方で、とても良い経験をさせていただきました。

思い出深いのは、建て方終盤のことです。お施主様、設計士、棟梁の「名」が刻まれた棟木を収めるシーンです。
このサイズ、一歩間違えれば大事故につながる緊張場面でしたが、作業している大工みんなの「やってやるぞっ!」、という空気感がすごかったです。
なので、自分はみんなの合図にも合わせながら、落ち着いてクレーンに合図をおくり…。そして無事上棟!収めた瞬間、なんとも言えない達成感でした。

自分も少しの期間作業さてもらいましたが、手刻みに関わってきたみんなはもっと感慨深い思いだったと思います。
T様、改めて御竣工おめでとうございます。この現場に関われたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。この経験も今後の仕事に活かせていけたらと思います。ありがとうございました。

大工工事部四課の石川です。

主に蔵の施工を担当していました。2016年の3月から約2年半、様々な仕事を経験をさせてもらい、お施主様ほか工事関係者の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
中でも蔵階段は自分の大工経験の中で1番の傑作だと思っています。詳しくは、ブログを遡ってもらえると嬉しいです。

実は、大工工事が終わってお引き渡し後、お施主様の会社関係者の方の指揮による外構工事もお手伝いさせてもらう事ができました。
蔵の前には小川が流れ、石積み、瓦を使った土留め、砂利敷きへ出てなど、外構工事でもまた貴重な経験を積む事ができて本当に嬉しく思っています。
長い間ありがとうございました。

大工工事部三課の坂内大輔です。

埋木、刻み、造作をやらせて頂きました。

一つ一つの作業がとても勉強になり大工の面白さ、奥深さを日々感じながら楽しく仕事する事ができました。

携われた事を誇りに思い、この経験をこれからの大工人生に活かしていきたいと思います。

初めまして、加工担当の植松です。(大工工事部一課)

T様邸では、古材の搬入・洗い・移動、造作材の加工、特殊部材の加工を担当しました。
初めての作業や複雑な加工を経験して、とても成長できたと思います。
置き場所に困るぐらい次々に運ばれてくる大量の古材、打合せの度に作業場いっぱいに広げたり、入れ替えたり、積み直したり、フォークリフトの運転がうまくなりました。
小川さんから送られてくる複雑な加工図、材木屋から運ばれてくる大量の木材、加工しても中々減らない材料、現場からのシビアな要求、加工技術が上がりました。
この現場を通して大きく成長できました。 ありがとうございました。

大工工事部四課の神保と申します。

私は短い期間ではありましたが、T様邸の現場に携わらせて頂き、とても感謝しております。先輩方の古材の仕事、設計の日影さんに教えて頂いたこと、漆喰壁や外構の左官工事や屋根板金をはじめとする様々な職人さんの仕事。これらのことを間近で見れたのが一番価値あるものだったと感じます。実は、門の仕事の後、博康さんと共に造園の仕事に関わらせてもらいました。(これもメチャクチャ貴重な経験でした!)最後になりましたが、造園が終わった後の写真で自分は締めさせてもらいます。ありがとうございました。

大工工事部四課の渡邊です。

竣工おめでとうございます。

このT様邸で関わった1年半は今の自分の力となり今の仕事に役立っています。

今は主にリフォームを主として、大型物件を任されていますがT様邸の時の真っ直ぐではないものに真っ直ぐでないものを納める技術は大変生かされております。

今後はこの技術を後輩に伝えられたらと思います。

大工工事部三課の瀧本です。

T様邸を離れ早くも半年が過ぎました。現在私はマンション班として内装の仕事に従事しています。

T様邸とはまた違った面白さ、難しさがあり日々勉強させていただいています。

私がT様邸で1番印象に残っていることは、先輩方の「ピンチを楽しむ」姿勢でした。イレギュラーや難題に対峙したときに経験と想像力を駆使して解決していく。

そこにはリスクを恐れることよりも、自らの成長へのチャンスと何よりも大工仕事への好奇心が勝っているように感じられました。自分がピンチに陥ったときに先輩方の顔が浮かびます。

大工としても、人間的にもまだまだゴールには時間がかかりそうです。
この現場に携われたことは自分の人生の財産であり、これからの人生への原動力になっています。本当にありがとうございました。まだまだ未熟ではありますが日々精進していきたいと思います。

こんにちは。大工工事部一課の有賀(あるが)です。

漆大工として現代の建築に漆を提案させていただいています。

T様邸では無垢のテーブル、古建具や衝立の漆塗りを担当しました。

建物自体が文化財レベルで圧倒的な空間。

お客様をはじめ工事に携わる数えきれない人達を長い間見てきました。

携わった方々が丹念に積み上げたものに恥じぬよう、ある意味心地の良い緊張感の中で仕事が出来た事は、私の今後のモノづくり人生において非常に大きな糧となりました。

漆は使えば使うほど経年変化でツヤが出たり深みがでたり、と魅力を増していきます。
5年後、10年後、100年後に「あのとき漆を塗って正解だったね。」と思っていただける事を夢見て。。

皆様本当にありがとうございました。

大工工事部三課の唐澤です。

T様邸では数多くの古材が使われましたが、一番印象に残っている材は、居間と和室の間にある上下に湾曲した赤樫の梁です。

刻みの時には柱の取り扱いを加工しました。両端とも欅の大きな柱に差さってきて、片側は差し鴨居とも絡み極端に曲がっているので安定せず取り扱うのが大変でした。

造作では和室側に収納棚を取り付けました。
この現場では普段の仕事ではできないことが沢山あり、自分の経験値もだいぶ上がりました。この経験を生かしてこの先も家を造っていきます。ありがとうございました。

大工工事部一課の原田です。

早いもので鎌倉を離れてすでに半年以上が経ちました。

僕はというと以前の業務に戻り色々な現場の手伝いに行ったり、親方として2棟の住宅を見てきましたが、先々で未だに鎌倉の物件の話をされます。
ブログであったり写真であったり噂で耳にしたりと、様々ではありますが直接関係していなかった人達の記憶にも残っている物件なんだなあと改めて感じています。
一番多いいのはもっぱら鎌倉寮の夕飯についてですが(笑)
普段の住宅に戻り、一番心配だったことはすぐに順応できるかどうかだったのですが不思議なことに体は覚えているもので、忘れかけていたことも数回やれば思い出すことができました。
鎌倉の古民家のような仕事はそうそうあるものではなく、次に生かせるのかなどの声もちらほら聞きました。

確かにこの物件のような仕事には今後なかなか出会うことはできないと思います。
ただ、技術面よりも大工としての考え方が大きく変わり、以前にも増して自信を持って仕事に取り組むことが出来るようになりました。
少し前に設計士の日影さんとご一緒する機会があり、何が一番印象に残っていますか?と聞いたところ『笑顔ですかね、仕事の向こうにはいつも笑顔がある、それは凄いことです』と言っていただきました。
おそらく全員意識していたことではなく、各々が好きなことに取り組んだ結果そのように写ったのだと思います。
そして僕達がこのように仕事に向かい合えたのも、現場でサポートしてくれた方は元より鎌倉にいる間、会社での仕事を引き受けてくれていた仲間達によるものだと感じました。
これからは鎌倉で培ったものを少しでも多くの人に広めていこうと思います。
協力していただいた皆さんに感謝します、ありがとうございました。

大工工事部一課の平松です。

ブログを始めたのが約三年前。この三年は大工人生においておそらく最も重要な期間だったと思う事になるでしょう。まだまだ勉強中ですから、爺になったら若い衆に自慢話してやるんだと妄想してます(笑)

このように記してあることの価値がわかるのも数十年後の事かもしれません。仕事に恵まれ、仲間に恵まれ、家族にも恵まれた事をこんなに味わえる期間はもう無いのかもしれません。

とても充実した期間でした。支えてくれた皆さん、本当にありがとうございました。そしてこれからは色んな所へと恩返ししていかなきゃという気持ちで日々動いていきます。

最後に

3年間、この工事に集中させてもらい、良い経験が出来ました。一生忘れられない工事です。
最初から、最後まで大変でしたが、皆様の協力で完成することができました。
お施主様は勿論のこと日影先生をはじめ皆々様には、深く感謝しております。
それと、この工事を任してもらえるようになった今の自分を育ててくれた方々、仕事に集中できるように家庭に憂いのないようにしてくれた妻にも感謝しています。
本当にありがとうございました。

棟梁 小川毅

ブログ移転しました

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