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建設会社が美術館を運営する、その理由とは?

平成建設世田谷支店に赴くと、見えてくるのは多彩な芸術品の品々。2015年当時、創立25周年を迎えた弊社は新たに「平成記念美術館 ギャラリー」を開設しました。 現在まで、藝術界を牽引してきた大作家から未来を創る新人若手作家と…幅広いジャンルで企画展を展開しつづけ、今年6年目を迎えます。
「なぜ建設会社が藝術を発信していくのか?」。ギャラリーで企画から運営、施設案内に携わっている三田村 憲和(みたむら のりかず)さんにお話しをお聞きしました。

世田谷支店1階に併設されている、ギャラリースペース

Q 1年を通して途切れることなく続いている展覧会ですが、どれほどのペースで行っているのでしょうか。

三田村:年に8~10回ほどですね。
展覧会だけではなく、講師の方をお招きした講演会やワークショップなども同時に開催しています。日本人の伝統の技や木の魅力をより身近に感じていただけるよう、工夫しております。

漆絵のお椀ワークショップ。
漆芸作家に教えてもらいながら漆文化に触れることができる。

Q 圧巻の作品ばかりで、目の保養になっています。様々なジャンルの展覧会を行っていますが、毎回作品の勉強会などしているのでしょうか。

三田村:展覧会初日には、学芸員による社員作品説明会を行い、皆で勉強を重ねています。展覧会時にはお客様のご鑑賞に差し支えない範囲で、作品のご紹介もしていまして、作品が生まれる過程のストーリーや作家の想い、解釈の難しい現代アートなど、鑑賞ポイントをお伝えしています。

展覧会開催初日には、社員への作品説明会も行う

Q 展覧会はどのように企画しているのでしょうか。

三田村:公募展や展覧会、ギャラリー等様々な場所に作品を見に行って常にアンテナを張っています。そこで知り合ったアーティストに展覧会の依頼をさせていただいたり、以前展覧会をさせていただいた方からご紹介をいただくこともあります。また、交流があるアーティストにお願いすることもありますね、作品の魅力をすでに知っているので。

現代ガラスのいろいろ展で展示された神田正之氏の作品
澤野新一朗 写真展の様子

Q なぜ建設会社がギャラリーを運営しているのでしょうか。

三田村:良い建築をつくるには、設計士が生み出す高いデザイン性、大工の匠の技と美への感性が必要です。良質なお住まいをご希望されるオーナー様は、素晴らしい藝術作品を所蔵されていることが多く、藝術の知識と鑑賞の力を蓄え建築に活かす努力は必須だと考えています。

2014年に東京藝術大学美術学部学生らへの奨学金「平成藝術賞」を創設。次世代を担う藝術家や研究者の育成を目的に、日本画・油画・彫刻・工芸・デザイン・建築・芸術学・先端芸術表現の合計8科より毎年各1名ずつ、特に優秀な奨学生を選出。写真は第一回授賞式の様子

Q 6回目の「平成藝術賞」になりますが、受賞者は合計で40名ほどになりましたね。

三田村: 卒業後、受賞者の方々は芸術家として歩み始めています。彼らから個展やグループ展の連絡をいただくことがありますが、時間を作って見に行くようにしています。
世田谷支店のギャラリーは1階・2階に展示スペースがあり、ここで個展をするにはかなりの作品数が必要になるので、まずは歴代の受賞者でグループ展などできたらおもしろいかなと考えています。ゆくゆくは個展も開催できればといいなと思っています。その時が楽しみですね。

受賞者らによる「未来の大芸術家たち」展は、毎年恒例

Q 受賞者の方のご活躍は、とても誇らしい気持ちになりますね。

三田村:これから藝術文化を担う方たちに力を注ぐことは、当社が使命としている一流の技と経験を身につけた大工職人の育成と同様、日本文化を継承することに繋がると考えています。技を守り日本の美を後世に伝える作家、技を継承しつつ新たな藝術に挑戦する作家、新人から未来に世田谷から世界へ、広く藝術の力を繋いでいきたいと思います。
作家と皆様の架け橋になることができますよう、良質な企画にチャレンジすると共に、より多くの方にお楽しみいただくべく、広報周知に努めます。
ぜひ皆様、平成記念美術館 ギャラリーにお越しください。

■ 三田村 憲和 / Norikazu Mitamura (2014年入社 世田谷支店 美術室)
平成記念美術館 ギャラリーで開催される企画展の企画・運営を行う。

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