日本形成外科学会・日本創傷外科学会において複数の専門医・指導医の資格をお持ちの亀井ドクター。 長らく県外でご活躍なさっていましたが、このたび静岡県東部へと帰郷され、クリニックを開業されることになりました。 開業を目前にしたドクターに、開業のいきさつや形成外科への想いなど、詳しくお話を伺いました。
東海大学医学部医学科卒業。東京女子医科大学、鹿児島市立病院、および同救命救急センターにて形成外科医として研鑽を積む。 2022年、静岡県に帰郷しフジ虎ノ門整形外科病院に勤務。2026年、静岡県沼津市にて「肌とかたちのクリニック」を開院。
「肌とかたちのクリニック」様 公式サイト
開業を決めたタイミングについて教えてください。
もともと漠然と「親が元気なうちに、いつかは地元の沼津で開業したいな」とは思っていました。 ただ、地元に戻る大きなきっかけというものもなくて……。 医師になって20年近くが経とうとしていた頃、ちょうど所属先の組織体制が変わったので、それを契機に地元に戻ることにしました。
帰郷後は、御殿場市のフジ虎ノ門整形外科病院に勤務されました。
地元ですぐに開業するという選択肢もありましたが、この地域の医師としてしっかりと根を張る準備をしたいと考えました。 私の専門は外傷再建の分野ですが、さらに経験を積み、技術を磨いてから地域の皆様に向き合いたいという気持ちが強かったんです。 長い間東京の病院にいたので、今の静岡県東部の形成外科がどのような状況にあるのか、実際に現場に立って肌で感じたいという思いもありました。
加えて、私は浜松医科大学の関連病院の施設長も兼任しているのですが、大学から「次世代の形成外科医を育てて欲しい」という話がありました。 私自身、静岡県の形成外科に対してその必要性を感じていたため、若いドクターを育てるために4年間ほど病院に勤務しました。
平成建設との出会いは、どのようなきっかけだったのでしょうか。
出会いは4年前ですね。偶然、新聞でクリニック内覧会の広告を見たことがきっかけでした。 クリニック名を調べてみると平成建設さんが関わっていることが分かったので、WEBサイトから案内を予約したんです。 会場では、後に営業担当となる髙村さんに案内していただきながら、色々なお話をさせていただきました。
その後、開業地の選定からお願いしたいこと、全体的なスケジュール、開業を希望するエリアを伝えて、開業計画がスタートしました。


まずは土地の選定からご一緒させていただきました。
開業予定の時期までしばらく時間があったので、まずはゆっくりと候補地のエリアを絞り込むところから始めました。 平成建設さんは、広さや立地が異なる複数の候補を出してくれましたね。 既存の皮膚科との距離感や、よく使われる生活道路との位置関係など、細かく情報を記載した地図を用意してくれたので、非常に分かりやすかったです。
地元企業の強みを活かして、一般の不動産サイトには掲載されていない情報や、地主さんと直接交渉して土地情報を集めてくれた点も良かった。
最終的に、どのような条件が決め手となりましたか?
土地の広さが丁度いいこと、交通量の多い道路に面していることを重視しました。 近隣に複数の学校があることも私にとっては大きな魅力でしたね。 形成外科という診療科目の特性上、女性や若い方が主な診療対象となりますから、そういう方の目に触れて、記憶に残るような場所が良いなと思ったんです。 平成建設さんが諸々の調整を一手に引き受けてくださったので、私は楽しく土地を選ぶことができました。

クリニックのデザインには何を求められましたか?
まずは「清潔感」です。白をベースにした清潔感のあるクリニックに、木目の質感や柔らかさを加えたいという希望がありました。
設計士とのやりとりはどうでしたか?
設計士さんは細部にまでこだわってくれました。こちらのイメージをお伝えしたところ、それをしっかりと具現化してくれました。
例えば、「保険診療と自費診療の動線を分けたい」ということを口頭でお伝えしただけで理想的なレイアウトを作ってくれました。
木質感のある受付や造作家具の数々、待合のカウンターはまさにイメージ通りの仕上がりです。医療施設らしさを持ちつつ、上品に木目を組み合わせる提案をしてくれました。
設計士さんとのやり取りはすごく楽しかったですね。
現場監督や大工さんも平成建設さんの社員ということで、現場の風通しがとても良いと感じました。

静岡県東部における、形成外科へのニーズはどう感じておられますか?
静岡県に帰ってきて4年半診療を続け、このエリアに形成外科への強いニーズがあることを感じました。それと同時に、「形成外科」という単語があまり認知されていないことも痛感しました。
形成外科医を必要としている人は間違いなくいるのに、単語の認知が低くて辿りつけない方が多くいる。現状、「形成外科」のみを標榜して開業できるのは都心ぐらいなのでしょう。開業するのであれば、どうしてもまだ「皮膚科」という標榜も必要なのだなと感じました。
「肌とかたちのクリニック」という名称に込められた想いを教えてください。
「肌」という字を用いることで、皮膚科だけでなく美容外科やスキンケア部門があることもイメージできますし、「かたち」はまさに「形を成す」ことを専門とする形成外科を意味しています。 体表に関するあらゆるお悩みを総合的に解決できる場所にしたい、という想いを込めて命名しました。
開業前には、皮膚科医としても勤務されていましたね。
形成外科は体表を扱いますが、皮膚科も標榜して開業するのであれば、その領域も改めて深く学ぶべきだと考えました。 開業まで十分な準備期間がありましたから、どんな症状の患者さんが来院されても応対できるように、沼津市立病院で皮膚科医としても研鑽を積みました。 体表を総合的に診る医師として、万全の態勢を整えられたと思っています。 私の医師としてのベースは形成外科ですが、皮膚科も美容外科も合わせて、幅広く診療していきたいですね。

今後、どのようなクリニックを目指していかれますか?
開業して一番やりたいことは、保険診療を軸に置いて、困っている患者さんにきちんと対応していきたいということなんです。 もちろん予約診療が主軸にはなりますが、予約の方しか診ないという形にはしたくない。 一般の保険診療は急な対処が必要になるケースがありますから、予約外の急患であっても、可能な限り受け入れたいと考えています。 そして、医師として質の高い診療を提供していきたいですね。
専門性の高い先生がいらっしゃると、地域の方も安心ですね。
一般的に、難しい手術は大きな病院に入院して受けるものというイメージが強いかもしれませんが、形成外科の手術には、高度な技術を要しても日帰りで対応できるものがたくさんあります。 わざわざ遠くの大きな病院へ行かなくても、地域医療を担うクリニックで高水準な医療を提供できると考えています。
例えば、手指や顔に怪我をしてしまった方の縫合手術の場合、繊細な組織を扱うため、最初の診察や処置のしかたがその後の回復に大きく影響します。 最初に担当した医師によって、その方の人生が変わってしまうことすらある。 そうした専門的な治療をもっと身近なクリニックで受けられるようにすることで、怪我をされた後の生活の質を上げていただく。 それが形成外科医としての私の願いです。
静岡県の形成外科医療について、どうお考えでしょうか。
静岡県内を見渡すと、外傷再建を専門とする医師は、患者さんの数に対して決して十分ではありません。
よく「整形外科と形成外科はどう違うの?」と聞かれることがありますが、例えば大きな怪我をした際、整形外科の先生が「骨」を修復されるのに対し、私たち形成外科医はその表面を覆う「皮膚や組織」をきれいに治す役割を担っています。
現状では、こうした一連の治療が静岡県内だけでは完結できず、遠方の病院まで足を運ばなければならない患者さんがいらっしゃいます。
当クリニックでは、地域ごとの医療格差を少しでも解消し、住み慣れた静岡で最後まで安心して治療を受けていただける環境づくりを目指しています。
将来的に手術用の顕微鏡も導入する予定もありますが、そういった試みが、私なりの地域貢献に繋がればと願っています。
医師は医療のことは詳しいけれど、開業に関しては分からないことの連続です。
開業に際しては、サポート内容やどこまでサポートをしてもらえるのかも、事前に確認しておくことが大切だと思います。
とことん話し合って、どんなクリニックが良いのか、どんな立地が良いのかを一緒に考えて、自分をうまくフォローしてくれる会社を見つけるのがとても重要なのではないでしょうか。
