interview with doctorvol.07おおば歯科様

おおば歯科:大庭礼之ドクター

おおば歯科院長
大庭礼之ドクター

神奈川歯科大学卒業。神奈川県、静岡県にて修行し、地域の中核病院にて歯科を立ち上げ、10年以上責任者として勤務。
2017年11月、御殿場市内にておおば歯科を開院。

スタッフと二人三脚で挑む、
患者様にとって居心地の良い空間づくり

開業するか勤務医を続けるかで悩み、30代後半からのスロースタートで開業にこぎつけたドクター。
見学会には300組もの来場があり、現在は新規の受付は数か月先になるほど、多くの患者様に愛される歯科医院となりました。

30代後半からの開業計画
スロースタートでもスムーズに開業

歯科医の開業は、ローンの返済などを考えれば39歳がひとつのボーダーになると言われています。
僕は地域の中核病院に勤めていたのですが、40歳が近くなるにつれて「このまま定年まで勤めるのか、それとも開業するのか」で悩むようになりました。
最終的には開業することにしたのですが、歯科医師が30代後半で開業計画を始めるというのは一般的に遅い方です。
かといって、じゃあ30代前半で開業して上手くいったかと言われれば、多分そうではないんですね。
30代後半というのは、僕にとって機が熟した時期、開業するのに適切なタイミングだったと思います。
一旦開業すると決めた後は自分の中で「やるべきこと」「決めること」が明確になり、スムーズに計画を進めることができました。
それでも開業までには3年かかりましたね。

おおば歯科

幼年期を過ごした土地で開業

この辺りは僕が通っていた小・中学校の校区内にあたるので、どんな人が住んでいるのか、どれぐらい交通量があるのかなど、地元ならではの知識がありました。 ここでなら上手くいくという自信を持てたのが、土地選定の一番の理由です。 近隣に2~3箇所別の候補地があったのですが、平成建設の営業さんたちにも見てもらい、一番「人が来る」と言われた土地に決定。 実際整地して工事が始まると、思った以上に人目を引いて、車で通りかかっても良く見えるし、道を歩く人も良く見てくれる。良い立地だったなあと改めて感じています。

おおば歯科外観

建物は20年間共に過ごすもの

平成建設さんにお願いする決め手になったのが「僕たちはどんなデザインでもやります」と言ってくれたこと。 「自分たちはこうだ」という主張を押し付けず、依頼主の希望を最優先しますと。そんな柔軟な対応が良いなあと思いました。 ローンを組む以上、出来上がった建物とは最低でも20年間付き合うわけです。 だから、こだわりたい所もあったし、後悔するようなものは建てたくなかった。 待合の天井は高くしたいとか、前面道路に向けて窓を並べたいとか、医院のデザインには自分のこだわりポイントが詰まっています。

車椅子でも診療を受けられる歯科

自分の“城”を造るのは楽しい

病院に勤務しながら開業計画を進めていたわけですが、いわば自分の「城」を造るわけですから、疲れも感じず楽しく取り掛かれました。 当院では車椅子で通院しやすいよう、通路の幅やユニットの配置に大きなゆとりを持たせてもらいました。 また、動線は敢えて分割せずに一つにまとめ、患者さんとスタッフが同じ通路を使うよう計画しています。 この「御殿場」という土地柄を考えた時、僕の医院ではスタッフと患者さん、そして患者さん同士が顔を合わせた方が良いと思っているんです。 スロースタートだったからこそ、自分の中で「どういう医院にしたいのか」が明確になっていたと思います。

おおば歯科スタッフとドクター

スタッフがいてくれるからこそ

患者さんは治療に来るけれど、実はそれ以上に話を聞いて欲しい方が多いんですね。 医師である僕がお話を聞いていると業務が回らなくなってしまうので、お話を聞くのはスタッフに任せています。 そうすると治療の話を超えて、ワンちゃんやお孫さんのことにまで話題が広がって、診療室の僕のところまで聞こえてくる。 待合室で患者さん同士が何十年ぶりかの再会を果たして喜んでいたりする。 都会の病院であれば考えられないことかもしれませんが、この土地、この医院ではその空気感こそが良いのだと思っています。 だからスタッフには感謝しかありませんし、僕一人では到底やっていけないと思う。スタッフは従業員ではなく、共同経営者のように捉えています。

開業、経営、そして法人化

開発許可が下りたらすぐに開業の看板を設置してもらい、見学会が決まれば窓に告知を張り出してもらいました。
僕の中では常に「患者さんに関係するか」「そうでないか」という基準があって、患者さんを集めることや患者さんのためになることは僕が決断し、
それ以外のことは「平成建設さんのお薦めはどれ?」「ならそれで!」という風に割り切って進めました。
とてもスムーズに進むので、営業さんが感心したほど(笑)。
お陰様で開業前の見学会には多くの方が来てくださり、開業して直ぐにユニットを追加することになりました。
開業から数年して、会計事務所からの薦めもあり法人化。
当院では障がいを持つ方を多く受け入れているのですが、障がいを持つ方は環境が変わると慣れるのに長い時間がかかります。
法人化することで経営を安定させ、安心して末永く通院していただける環境を提供することが、僕にできる地域貢献だと考えています。

大庭院長

開業を考えるドクターへ
メッセージ

一人で医院経営はできません。スタッフが気持ちよく働き、遠慮なく発言できる環境作りが一番重要だと思います。 そして労務関連の業務は、必要経費と割り切って社労士さんにお願いした方が絶対に良い。 自分は治療に専念できるし、提供する医療サービスの質も向上します。 歯医者は怖い場所なので(笑)患者さんがリラックスできる空気作りも重要。 開業以来ずっと、患者さんを含め多くの方に支えられていると感じています。

POINTワンポイント

開業のポイント

1タイミングは
自分次第

開業のタイミングは人それぞれ。 融資の返済期間は気になるでしょうが、あまり年齢にこだわりすぎず、自分なりのタイミングを見つけることが大切です。 自己資本があれば借入金額を抑えることができるので、スロースタートになっても苦労しないよう、開業資金を貯めておくことをお薦めします。

2居心地の良い
空間づくり

体調不良時に相談しやすい、リラックスして受診できる、怖いイメージを感じないなど、患者さんにとって居心地の良い空間を創ることでリピーターが増え、安定経営に繋がります。 患者さんは治療だけでなくコミュニケーションも求めていることを忘れず、十分なスタッフを配置しましょう。

3共に働ける
メンバー

スタッフとの良好な関係を築くことは、医院経営において非常に重要なポイントです。 患者さんとの良好な関係構築、業務の効率化など、スタッフが長く勤務することで大きなメリットが生まれます。 雇用主と従業員という立場を超え、お互いに声を掛け合い、協力していける体制を作りましょう。