加工場の日々

如何に力を使わないか

現場にはよく「安全第一」という言葉が掲げられています。

安全と聞くと、転落、落下物などの災害の予防施策ばかりを想像しがちですが、職人の育成に力を注ぐ当社にとって、過負荷による怪我の防止も大切な安全管理です。

私が入社したてのころ、当時の新入社員研修の担当者から、「いいか、お前ら。俺たち工務の仕事は如何に力を使わないかなんだ。」と言われたことを鮮明に覚えています。

当時の私は右も左も分からず、現場仕事は何事も力が大切だと考えていましたが、作業の無駄をなくし最小工数を目指すことに加え、一つの動作において最も負荷の少ない身体の使い方を身につけることが特に重要だと教えていただきました。

あれから10年近くが経過し、昨今では、これまでのパッシブな力を使わない方法に加えて、アクティブな力を使わない方法に業界のトレンドが変遷しているようです。

先日、本社の加工場で新たな設備の導入テストが行われていました。

「ムーンリフタ」と呼ばれる製品で、まるで月面にいるかのように簡単に重量物を持ち上げることができる、ウインチを派生させたような製品です。

今回テストさせていただいたムーンリフタ

既にクレーンやユンボなどの重機が定着しているとはいえ、スペースや精度などの都合から、私たちの仕事にはまだまだ重量物を人力で持ち上げなければならないケースが多々あります。

ムーンリフタはスイッチで上下させる一般的なウインチとは異なり、軽い力を加えることで上下する機構のため、直観的で繊細な操作が可能となります。

実際に20kg以上ある型枠を操作するテストの様子がこちら。

ヘルニアの部長でもこの通り

私も体験してみましたが、もはや月面どころではなく完全な無重力といった感じで、大きな型枠も指一本で操作できました。

一家に一台、いかがでしょうか?

また、簡易的なテストが好評だったため、場所を改め、本格的な現場環境を想定したテストも実施しました。

より現場に近い環境でのテスト

カタログを見るだけでは想定できなかった活用方法、メリット、解決しなければならない課題などが次々とあがり、価値のある時間となりました。

今回テストしたムーンリフタを実際に導入するかは未定なものの、工務部ではこうした最新設備の導入を積極的に検討し、現場環境を改善に取り組んでいますので、また機会があれば紹介しようと思います。

それでは今日も安全作業で頑張っていきましょう。