大工の家具仕事

リビングの家具って、いつ入るんだろう?監督・寺本に確認の電話をかけました。
「今、作ってますよ」





現場に着くと、寺本が真剣に木材を加工していました。

溝を入れています。

やすりをかけています。作っているのはTVボードの天板。建具が入るレールの溝を切っているのです。真剣なので、ちょっと話しかけづらい雰囲気…。


でも、作業の合間には、いつものように今の作業内容を教えてくれます。

「色が濃いところが、楠の木です。手前に来るところだけ、うすーい化粧材を貼ってある合板です。」楠?使っている物件をあんまり聞かない気がするけど…

「以前、自分監督で巖さんが広告担当の物件で、楠使ってましたよ。むしろ楠だらけでしたよ」
えっ。

覚えていませんでした。なんだか申し訳ない。
「まあ、あの時とは違う色を塗ったので、仕方ないかもしれません」
フォローありがとうございます。





溝を2本切り終わって天板をひっくり返すと全面に楠を貼られた面が出てきました。そうか、こちら側が表になるのね。

「楠は大きく育つから大きな材をとりやすい樹種なんですよ。かといって無垢板は高価ですし、何より暴れますから、こんな大きな板で家具を作る場合は、やはり合板になりますね」

寺本のような大工をみていると、本当に木が好きなんだなあ、としみじみ思います。手間がかかって大変だろうけれど、本当に楽しそうに仕事しているのです。楽しんで作ってもらった家なら、その後の生活も楽しくなりそうですね。




さて、そろそろTVボードの天板を据え付け?と思ったのですが、寺本は天板を置いたまま部屋の隅へ。

「残念ながら、午前中の据え付けは無理です~。受け側の加工が残ってるんで」

午後には別の仕事があるため会社に戻らねばなりません。完成の様子を見ることができず、本当に残念!次回は、家具完成後の様子をお届けすることになるかと思われます。