方都市にある分譲マンション。ごく一般的なアプローチを通り、一つの玄関の前に立つ。その扉一枚を隔てた向こう側には、驚くような空間が待っていた。

 

ブラックウォールナットを基調に計画された内装。縦格子の建具で隔てられた小上がりの和室。ブルーライトのバスルーム。統一された空間のLDKの先には、高層にふさわしい夜景が眼下に広がる。

「初めてお客様と対面したとき、〈ブラック〉というキーワードだけがはっきり決まっていました。
そのキーワードをどれだけ膨らませ、イメージを共有できるか︱設計士としての腕の見せ所でしたね」と設計士の角谷は語る。一般的にリフォームといえば、壁紙やキッチン、バスルームを変えるだけ、と考えられがちである。「私たちが手を加えるのはライフスタイル、そのものなのです。つまり、リノベーションと呼ばれるものです」

壁の色や設備が変わるだけなら、施主の理解も早い。しかし、暮らし方まで変えるとなると、イメージを共有することが難しいという。
「一度に情報を渡してしまうと、お客様は混乱してしまいます。ですから必要なタイミングで必要な情報をお渡しし、少しずつ新しい生活のイメージをお伝えします」

また、平成建設ならではの〈職人〉という強い味方がいると角谷は語る。「彼ら大工はデザイナーでもあります。空間にふさわしい家具や建具のデザインを一緒に考えて製作します。素材の表情をどれだけ引き出せるのか、考えたデザインをそのまま形にしてしまう大工さんには感心しますね」

この〈黒をテーマにしたスマートライフ〉では、黒の素材感へのこだわりがポイント。一言で『黒』といっても様々なバリエーションがある。明るさや素材の違いはもちろん、光沢やエンボス加工された素材でも見え方は違う。さらにライティングを組み合わせることで、全く違った表情を見せてくれるのだ。一つ一つの空間にきっちりと『黒』がはまっている様は、まるで魔法をかけたようだ。
「バリエーションにとんだ黒使いと抜ける色のバランス。計算された照明計画、厚板を使ったブラックウォールナットの重厚感ある家具。全ての素材が一体化したのは平成建設のチームワークのおかげ。このすばらしい会社をみんなに知ってもらいたい」。角谷の見据える先には、リノベーションを超えた新しいステージがある。

 

キッチンの上にはスタイリッシュなペンダントライトをコーディネート。

ブラックの空間に浮かぶ光がキッチンを演出する。

 

ギリギリまで細くした和室を囲む縦格子のラインが、洋室と和室の境界を間仕切っている。

大工製作のブラックウォールナットの掘りごたつと、チャコールグレーの畳の色合いが絶妙なバランスで配されている。