やしといえば何を思い浮かべるだろうか。夏は灼熱の建て方、冬は汗も凍るコンクリート打設。厳しい現場を支える職人に平成建設ができる癒やしは何か。その答えは本物の浴場をつくることだった。
エントランスに入ると、ステンドグラスの入ったスリットが出迎える。間接照明を主とする計画と、本物の素材のみを使用した意匠。一歩足を踏み込めばそこは異空間である。ここを初めて訪れる人はみな、ため息を漏らすという。
「お湯につかればいいというものではないと最初から考えていました。設備や機能も大切ですけど、何よりも心身共に疲れを癒やすにはその空間が特別なもので、本物でなければいけないはずです」と設計を担当した鈴木は語る。
優れた空間には優れた風景も必要。浴槽の向こうに広がる水盤は、風呂につかると一体となって、まるで自然の中に溶け込むような体験ができる。大工の加工場や、会議室、事務所に囲まれた場所とは思えない空間だ。
夜ともなれば、一日現場で汗を流した職人達同士、語り合う姿が毎日見られる。いわば、会社の︿遊び﹀ともいえるお風呂が、コミュニケーションの重要な拠点になっているのだ。
まるで旅館の浴場のような社員用お風呂。無垢材の壁に石張りの浴槽。床暖房にジェットバス。一見無駄とも思えるこの施設こそ、平成建設の本質を現しているのではないだろうか。

 

温泉宿と見まがう立派なお風呂。
疲れを癒やすためには本物のお風呂が必要だと考えました。