国から集まる若者のための独身男性社員寮〈日吉寮〉は、本社から徒歩2分。コンビニやスーパーに加え、沼津駅までもが徒歩圏内という好立地。キッチン・風呂・トイレは共有、各個室は6畳程度の室内に洗面・大容量の収納を加えたシンプルな構成だ。ここでは現在、約20名の社員が共同生活を送っている。
そんな至って平凡な寮だった場所に新たな風を吹き込んだのは寮生の若手設計士、岡・大谷・後澤の3人。まず彼らが取りかかったのは共有リビングの改装だった。同期の大工と共に無機質だった床に杉の無垢フローリングを貼り、窓サッシに木製のサッシを取り付け、木の温もり溢れる室内を造り出した。センターに置かれたテーブルも彼らの手作りで、建設会社らしいサブロクという大きさ。皆で囲むには十分なスペースがある。照明の配線が目立たないようにモールを使うなど、細部まで手を抜かないこだわりは設計士ならでは。昼は心地よい光が射し込み、夜になれば優しい明かりがリビングを包み込む。帰宅時にリビングの明かりがついていると、ちょっと寄っていこうかな、という気になるそうだ。

不定期に開かれる「日吉会」も3人の設計士が始めたイベントだ。毎回、食材のテーマを決め、みんなで数種類の料理を作り、リビングで談笑しながら食事をするという。旬の素材を使った、季節感のある料理は毎回好評だ。この会は寮生以外も参加可能で、毎回、様々な年代や職種の社員が集まるため、普段会わないメンバーとも親交を深めることができる。仕事やプライベートの相談をしたり、対戦ゲームを楽しんだりと、思い思いの時間を楽しんでいる。

楽は設計士3人の共通の趣味。いつでも気兼ねなく楽器が演奏できる場所が欲しいと思い、寮の空き部屋だった部屋を音楽室として使用することにした。ピアノやギター、ベースに加え、電子ドラムやアンプなど、楽器の種類はスタジオ並み。休みの日はもちろん、会社からも近いため、お昼休みに弾くこともあるという。もちろん、この楽器は私物のため、自由に使用できるわけではない。初回は、自分の楽器を持参して音楽室のドアを叩いてほしい。
次に紹介するのは、大工という仕事を活かし、自分の部屋をリフォームした西田の部屋。柱や障子、天井をダークブラウンで塗ったこの部屋は、もともとの畳や襖の雰囲気にも合う和モダン。現場で余った材料で、下地に使うような物を使っているそうだ。「施工は2日程で仕上げたかな。手間もお金も掛けずにカッコいい部屋を作りたかった」。段違いの棚は、その場でバランスを見ながら施工したという。「始めにテーマを決めてからソファと照明を購入した。ルイスポールセンのPH5の照明はずっと昔から憧れていた」と話す。
このように、日吉寮には大きな決まりごとはなく、寮生が自由にアレンジを楽しめるのが魅力だ。日吉会や音楽室の存続も寮生次第ということになる。建物の改修は総務部に相談、新しいイベントなどは寮生で話し合いながら自分達らしい日吉寮を創り上げてみてはどうだろう。