成建設が目指すのは、社員職人がいるから実現できる建築︱つまり設計士のイマジネーションと職人の技の融合である。手間を惜しまず、時間を惜しまず作り上げる建築は、結果的には高価になってしまう。素材の価値、空間の価値が分かる顧客をターゲットに入れなければならない。

世田谷支店を拠点に、都心に高級住宅を。

2014年に旗艦展示場として世田谷支店を開設した。静岡県外では東京都日野市、神奈川県厚木市、藤沢市に拠点を開設しているが、東京23区内に支店を出すのは初めてだった。高級住宅の建築・リフォーム・リノベーション市場に参入し、潜在需要を掘り起こす最前線だ。
23区内の進出には社会的な後押しもある。建設業界では大工・職人不足が深刻で、高い技能を必要とする注文住宅への対応が難しくなっているのだ。大工・多能工を多数擁し、技術が集積している平成建設はこの社会的情勢を大きなチャンスとみている。

技術力を磨くため、京都・宮大工のもとへ。

当然のことだが、京都は日本文化、芸術や伝統的技術の集積地である。大工や職人が技を磨くには最高の環境が揃っている。日本の大工技術を語る上で、京都を抜きに考えることはできない。だが、京都には日本を代表する棟梁は多
く存在するものの、実は弟子のなり手が圧倒的に足りていないのだ。

そこで、平成建設では素質のある弟子を京都へ出向させようと考えている。一流の技を身につけ、国際的に通用する〈棟梁〉を育成することは、日本の木造文化にとって重要なことである。

欧米に、高級和風住宅を。

京都で実績を残すことは平成建設にとって途中経過でしかない。その先には《FROM KYOTO》を掲げ、海外というフィールドがある。海外進出といえば、市場の拡大が主たる目的であるが、平成建設が海外を視野に入れるのはそれが目的ではない。
『日本建築の素晴らしさを知ってもらいたい』と社長の秋元は語る。日本の科学技術、工業技術、美術工芸の素晴らしさは世界中に知られているが、建築技術はあまり知られていない。たとえばアメリカには様々なMADE IN JAPANの文化があるが、日本建築はほとんどない。数寄屋造りの名工である京都の中村外二棟梁が建てたロックフェラー氏の邸宅ほか数えるほどしかないのだ。
日本の技術で、海外に木造の建築を︱。平成建設が目指す未来には、大きな希望とそのために着実に進まねばならない道がある。