方都市の中心部に建つ2階建て住宅。住宅密集地域にもかかわらず、緑道や公園など豊かな自然が近隣に点在する恵まれた環境に位置している。しかしながら、隣接する建屋は境界に近接し、居住環境としては決して好ましいものではなかった。

設計士は、このような状況においてプライバシーを確保しつつ、開放感のある生活を送るため、コートハウス形式を選択。視線・日射をカットしながら通風・採光を確保するルーバーや、視界をコントロールする壁といった要素を外部と内部のフィルターとして設定することで、豊かな居住空間を形成している。ルーバーは前面道路に面する部分を覆い、やわらかな気配による街との連続性を生み出す。全ての居室から望むことができる中庭は、隣地との関係を再定義する事で、単なる空白ではなく取り込まれた自然となり、外部環境との連続性を現している。

 

 

生活における主室となるLDKは一つの空間でありながら、天井や床の高さによる細かな分節が施された設計になっている。どこにいても家族の気配は感じるが表情までは窺えない。家族それぞれにお気に入りの場所を設けながらも、一つの大きな空間に包まれながら程よい距離感を保てる場となっている。外部環境と内部空間、そして家族がやわらかく連続し、心地良い空間を創り出している。

 

敷地の中央に配された中庭は、外部環境との連続性を感じさせる。

 


主寝室はシンプルながらも造作家具の質感により落ち着いた空間。